110話 ページ13
…
「うそ、やろ……？」
期末テストが終わった。
結局みんなで勉強会したのは一度きりだったけど
いつものように淳太に一夜漬けで教えてもらったから
いつも通り、いや
もしかしたらいつも以上にいい点数取れたかも、なんて浮かれていたら…
望「A見て！！英語90点やったんやけど！すごない！？」
「…。」
望「Aは？どうやった？ って、え……？」
私の答案用紙を覗き込んだ望が固まる。
望「………8点！？！？」
「ちょ、声でかいって！！」
驚きのあまり大声を出した望の口を慌てて塞ぐ。
「やっぱりこれ…8点やんな」
さっきからずっとこの答案用紙とにらめっこしてるけど
どこからどう見ても8。
上から見ても下から見ても
斜めから見てみても
8の数字は変わらない。
さすがにこれはやばいって…
いつも授業をサボってる私だけど
いくらなんでもこんな点数は今まで取ったことがない。
こんなの淳太に見せられへんよ…。
望「えっと……まぁ、誰にでもこんなことあるって！そんな落ち込まなくても大丈夫やで、大毅を見てみ？」
必死に慰めの言葉をくれる望に言われるがまま大毅の方に顔を向けると…
「しげ〜！英語何点やった？……うわ、やっば！お前赤点やん！！笑」
大毅「うっさいねん！自分やって赤点ギリギリやろ！！笑」
男子たちにいじられる大毅の姿。
え…大毅も英語、赤点だったんだ。
先生「みんな一回席つけ〜。え〜、今回英語が赤点だったヤツは夏休み補習があるらしいから、絶対参加するように〜。」
先生の言葉に、数人がえ〜〜！と声を漏らす。
補習…。
いつもの私なら、そんなの嫌すぎて気分が沈むだろうけど
大毅も一緒ってことだもんね。
数日間だけど夏休みも毎日一緒に居られると思うと自然と頬が緩む。
…
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作者名：ホワイトモカ | 作成日時：2023年11月4日 3時
