25:美しかった頃の過去 ページ26
ヴィル「…それで？あの女はなに？香水のセンスゼロね。」
ヴィルさんはそう言う。
A「あの、人は。」
そこまで言うのに、詰まってしまう。
早く、言わなくちゃ。
ヴィルさんに本当に嫌われる前に。
ヴィル「言っておくけれど、アンタの話を聞いたくらいでアンタへの評価がどうこうなるつもりはないわ。」
A「！」
あぁ、優しい人。
そんな人は、いなかったはずなのに。
私の優しい人。
どうか、嫌いにならないで。
A「あいつ、は。私が施設にいた頃の、知り合いです。」
私の秘密を。
灰かぶりの、過去を。
どうか、この人が、
変わりませんように。
NoSide
ーーーーーー16年前ーーーーーー
Aは、とある施設の前に置きさられていた。
寒い冬のことで、かごに入った彼女を見つけたのは、その施設の園長だった。
園長は彼女を抱きかかえ、施設に迎え入れた。
心優しい老父の園長は、彼女に名前をつけた。
シンディ・アルラ
と。
名字までつけたのは、
彼女が今後生きていく為に。
シンディ、という名前はある女の子からつけたものだ。
王子様を待ちわび、強かに生きた女の子。
そんな子になれば、と園長は彼女を施設の子達と一緒に育てはじめた。
しばらくして。
シンディはその名の通り、
可愛らしい少女に育った。
金髪のふわふわとしたくせ毛。
海のように青い瞳。
笑えば薔薇色に染まる頬。
誰もが彼女を可愛がった。
園長も例外ではない。
そして、施設の中にいた子達も彼女の姉や、兄のように接した。
シンディ「ドリーゼ！アニー！」
ドリーゼ「シンディ!あ、髪飾りつけたのね。かわいいわ！」
アニー「シンディ。走ったりしたら転んじゃうわ。貴女がケガをしたらどうするの。」
シンディ「はぁい。」
ドリーゼと、アニー。
双子の姉妹で、シンディの姉のような存在。
ドリーゼは黒髪で、アニーは茶髪。
優しい２人だった。
ある時、園長が出張に行くことになった。
滅多にない遠出に、子供達はお土産を強請った。
もちろん、シンディも。
園長「シンディは何がいいかな。」
シンディ「私は…花を、一つ。園長先生が一番きれいだと思った、お花が欲しい!」
園長は少し目を開き、頷いた。
園長「分かったよ。じゃあ、皆いい子にね。」
園長の姿を子供達が見たのは、これが最後だった。
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ゆずりは(プロフ) - 完結いたしました！ありがとうございました! (2020年12月5日 12時) (
レス) id: d4a1b6f1ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - ハーチュラビュリュって言っちゃう人さん» そんなに褒めて頂けたのは初めてです!ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです! (2020年11月23日 23時) (レス) id: d4a1b6f1ce (このIDを非表示/違反報告)
ハーチュラビュリュって言っちゃう人 - 今日初めて貴方様の小説を読ませていただきました。語彙力が無さすぎて誉め方がわからないんですけど(( 物凄く面白かったです！続きを楽しみに待っています！ (2020年11月23日 22時) (レス) id: aea5f17203 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - すんさん» お恥ずかしい…。ご指摘ありがとうございます。 (2020年10月27日 3時) (レス) id: d4a1b6f1ce (このIDを非表示/違反報告)
すん - badがbatになってますよ＿|￣|○ (2020年10月26日 22時) (レス) id: dc22fa88f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずりは | 作成日時：2020年6月20日 14時
