ワートリモブに転生したので前向きに生きてみようと思う (ページ7)

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ななわページ7

ブートキャンプを開始して数日、普通にしんどい。

本当はマスターまでいかなくてもいいのだが、それくらいの気概がないといつまでも底辺でのたうち回っている自信がある。

故に背水の陣でやらねばならないのだ。

「･････」

防衛任務の際に一人で悶々と考えていると後ろから視線を感じる。これは今に始まったことではない。

任務が彼とかち合った時はいつもそうである。

『門発生、門発生。隊員は速やかに発生地点へ向かってください』

聞こえてきたアナウンスと門を視認したのはほぼ同時だった。

私より後ろにいたはずの彼は私より先に現れた近界民に切りかかる。

「グラスホッパー」

威力重視の1枚の板を踏んで一直線に飛ぶと、その勢いのままバンダーの弱点を横薙ぎにする。

地上に降りると横からモールモッドの剣閃が飛んでくる。間一髪でそれを避けると再びグラスホッパーを踏んで懐の中へ素早く潜り込んで一撃。浅かったのかブレードが振り下ろされるが、返す刀でそれを退けそのまま回転しながら一閃。

孤月は女子にはそこそこ重いので力押しで使うのではなく、勢いを殺さずに振り回すようにしている。

二体倒したことで気を抜いていれば、残っていたモールモッドに利き腕を持っていかれる。咄嗟にグラスホッパーで距離を取り反対側の手に拳銃を生成する。

「アステロイド」

五発続けて撃ちモールモッドの足を削る。

そしてまたグラスホッパーで踏み込むと、失くした腕の先にスコーピオンを生成して弱点の眼球を刺し貫く。おまけとばかりに拳銃を撃って目標の沈黙を確認する。

「･････」

とっくに討伐を終えてそれを眺めていた彼は何か言いたげだ。

「･････？」
「･････」

「三輪くんは告白でもするの？」

沈黙を破ったのは別の方向の門を処理していた加古さんだ。

「加古さん、お疲れ様です！」
「お疲れ様、あすかちゃん。ちょうど終わりの時間だから一緒に帰らない？」
「ぜひ！」

元気よく返事をすれば加古さんに褒められる。美女に褒められてとても満足である。

加古さんはいつも防衛任務の時間が被ると声を掛けてくれる。早い時間なら寄り道してカフェに行くけれど、遅い時間に終わる時は家まで送ってくれる。

「それで…三輪くんはまたあすかちゃんに熱烈な視線を向けてたの？」
「･････」
「･･･もしかして私嫌われてます？」
「･･･いや」
「よかった！」

三輪くんも推しだから嫌われてたりしたらかなり悲しい。まじで。