朝霧悠花の登校時刻、１ ページ3
時系列について。
１……職場体験終了翌日。
２〜４……期末試験後、林間合宿前。
５〜……全寮制になってから。
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悠花の登校時刻は、かなり早い。
それは職場体験以降、一層顕著になって、飯田が来るよりも二十分以上早く教室に居る。
「………はぁ。屑は何処にでもいるものだね」
職場体験が終わって、久しぶりの学校。
悠花は、昇降口でそっと溜息を吐いた。
貼り紙、落書き、画鋲、生ゴミ。
ヒーロー科の靴箱は、ここは小学校か？ と訊きたくなるほどに幼稚な嫌がらせで埋め尽くされていた。
特にCM出演した八百万と拳藤は酷い。
悠花はまず証拠写真を取って、使い捨てのゴム手袋を嵌めた。
そして、中身が見えない袋に、相手ごと分けて入れていく。
家に帰ったら、一つずつ検分して写真を撮って、証拠として保管するつもりである。
物的証拠、大事。
(うわ危なっ。カッターの刃とか入ってんじゃん)
悠花の周りの温度が下がった。
その雰囲気は、氷の国の王ですら泣き出しそうなほどに冷たい。
ヒーロー科に嫌がらせをした者、特に八百万を筆頭とするA組女子と物間にした者は、今すぐに逃げた方がいい。
いっそ屋上から飛び降りた方が千倍は楽だ。
そして、濡らした雑巾で丁寧に拭き、乾拭きして水分を拭い取り、消臭スプレーで臭いを消した。
これで、万が一にも気づかれることはないだろう。
「……少し期待してたんだけどなあ」
この学校ならこんなことはないかも、って。
数日前の夢見がちな自分に苦笑して、証拠を入れた袋を鞄にしまった。
朝霧悠花の登校時刻、２→←〜〜しないと出られない部屋。物間編。
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年3月4日 20時
