続！“個性”「文豪ストレイドッグス」 (ページ8)

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四十五話ページ8

「手助け……？どういうつもり？」

「そのままの意味だよ。君はヒーローになりたいなんて思ってないでしょう？なのに雄英のヒーロー科に入った」

ふふふ、と東雲は優美に微笑んだ。

「目的があるんでしょ？その手伝いをしてあげるよ」

一つの揺らぎも見つけられない、鉄壁の笑顔。

つぅ、と冷たい汗が悠花の背を伝った。

悠花は慎重に口を開く。

「…で、その対価は？」

「そんなに身構えないで。簡単なことだよ。たった一つだけ、頼まれて欲しいんだ」

東雲は自分を壁に縫い止める刀に触れて、【人間失格】を発動させた。和装の上にマントを羽織った異形の女が、さあっとかき消える。

「朝霧悠花。君に、十年前に起きた、ヒーロー連続失踪事件の解決を依頼する(・・・・)」

その言葉と同時に、悠花の意思とは全く無関係に、【Another】が発動した。異能発動時特有の、文字を帯びた光が発生する。

悠花は心底嫌そうに顔を顰め、東雲は嬉しそうに笑う。

「君が【Another】を制御出来るようになる前でよかったよ。それは、一度発動してしまえばキャンセル出来ない」

「…うっざ」

嫌悪感たっぷりに睨みつける悠花に笑い返し、東雲は来た時と同じように一瞬で消えた。