続！“個性”「文豪ストレイドッグス」 (ページ3)

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四十話ページ3

表示されたトーナメント表を少し遠くから見て、悠花はぱちりと一度瞬きした。

(私はシードで、塩崎対上鳴戦の後に、その試合の勝者とやる感じか。…ってことは、一戦目は塩崎さん相手だな)

どうやってあのツルを攻略しようか、と悠花は思案する。

考えながら歩いて、生徒の観客席から少し離れた場所で、会場を見下ろした。

そんな悠花に、声をかける少女が居た。

「朝霧さん、だよね。Ａ組の」

「え。…あ、拳藤一佳、さん？」

「そうそう」

知ってたの？と拳藤は悠花の隣に並ぶ。

「雄英の生徒であれば、名前とクラスは把してるよ」

「まじか…」

目を丸くし、本気で感心したような拳藤。

ふふっと笑った悠花は、一拍置いて、べえっと舌を出した。

「うっそぴょーん☆」

「…は？」

「入学してからそんな経ってないのに、全校生徒なんて覚えられる訳ないじゃーん。拳藤さんったら素直なのねっ！」

けらけらとおちゃらけて笑う悠花。ポカーンとする拳藤。

正気を取り戻した拳藤は、じとっと悠花を見る。

「…手刀落とすよ？」

「きゃあ怖いっ、逃げないとー！」

そのまま悠花は、軽い足取りで観戦席に向かった。

(結局、何の用事だったんだろう？)

それが一番大事だろ、という突っ込みに反論する材料は、今のところ無い。