続！“個性”「文豪ストレイドッグス」 (ページ15)

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五十二話ページ15

更衣室をお借りしてコスチュームに着替えた悠花は、事務所をぐるりと見回した。

「機能的な事務所ですねー。記録の保管も丁寧で…」

「まあな。…ああ、そうだ。仕事なんだが…」

職場体験ということで、アレスはヒーローの仕事について一通り説明する。

悠花はアレスの話を、時折メモを取ったり質問したりしながら、とても真剣に聞いた。
クラスメイトが見たら本人確認してきそうな表情だ。

「……と、まあ、こんな感じだ。質問は？」

「いえ、大丈夫です。ありがとうございます」

ジリリリリリ……！！

時代錯誤な雰囲気を醸し出す黒電話が鳴り響いた。
シックでお洒落な事務所の中で一際異彩を放っていたが、これが唯一の固定電話なんだとか。

「はい、アレス。……×××通りの○○スーパー前……分かった、すぐに向かう。……ポーテクティヴ、出陣するぞ」

(この人本当に４２の中年？マジでウグさんにしか見えないよ？ってか、これで独身とか世の女性の頭可笑し……あ、このレベルの美形に釣り合う人なんてそうそう居ないっていうかむしろ、恋人がこんな美形とか逆に重荷だよね。納得)

頭の中の馬鹿らしい思考など全く表に出さず、悠花は凛とした声で返事をした。

「了解しました、行きましょう」

表面だけなら、とても格好いいのだが。