二十七話 ページ28
その日の夜。
【ヰタ・セクスアリス】が、宿主の意思以外の要因で発動した。
「いつまで寝ているのかしら、この馬鹿！」
悠花のベッドの真上に浮くエリスは、通常の赤いワンピースを纏っている。
エリスは降下して床にタンッと降り立つ。
そして、悠花の頬を容赦無く抓った。
「起きなさい」
冷たく刺々しい声。不機嫌そうな顔。
むにーっ、と頬を引き伸ばされた悠花は、うぅん、と低く唸った。
「い、たいよ、エリスちゃん」
「うるさいわね、起こしてあげたのよ」
「…っ今、何時！？」
悠花は、布団を跳ね上げて起き上がった。点滴に手首がぐいっと引かれる。地味に痛い。
「悠花が倒れたのが昨日、今は夜よ。
制限時間ギリギリだから、早く【黒死病の時代の饗宴】を解除しなさい」
それ早く言って！ と言いながら、悠花は【黒死病の時代の饗宴】を解除する。
「で、目覚めを手伝ってあげたわたしに、何か言うことはないの？」
「ありがとうエリスちゃん。ケーキを買うよ」
「あと、飴とマシュマロとマカロンもよ」
それを聞いた悠花が、おずおずと、しかし冗談っぽく言う。
「……太るよ？」
「異能生命体に何を言っているの？」
「エリスちゃん」
エリスの言葉に、悠花は厳しく冷たい表情になった。病室の空気が一変する。
叱責するように、エリスは睨まれた。
「エリスちゃんは、私が“個性”で宿してるってことになってるんだよ？ それについては理解しているよね？」
冷然と、普段の態度からは想像出来ない程に昏い目で、エリスを見据える悠花。
「…ごめんなさい、気が緩んでいたわ」
素直に非を認めて謝るエリスに、悠花はすぐ矛を収めた。
「ん。いいよ。あ、レントゲンは撮られた？」
「小指の辺りのレントゲンは撮られてないわ」
「そっか。なら良かったよ」
そこまで話して、悠花は【ヰタ・セクスアリス】を解除し、思い出したようにナースコールを押した。
俯いて、呟く。
「私の名は朝霧。朝霧悠花。
ヒーローを目指してる無個性で、
この世界で産まれた異能力者だ」
ちぐはぐだなぁ、と苦笑した。
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9Sに殺されたいロリコン - いろんな人が作るんだね。3個目だよ (2019年7月29日 11時) (
レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
チルチルノ - これ確か似たようなやつあったような。。パクられたのかパクったのかよくわかんないや笑もしかして、作った作者さんが同じ？ってことはなさそ (2019年6月3日 11時) (レス) id: 803f5d1a59 (このIDを非表示/違反報告)
rottie(プロフ) - 名前が変更できないのがちょっと残念でした。 (2019年3月26日 21時) (レス) id: fdee528653 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年1月15日 20時
