二十一話 ページ22
一体の脳無が、悠花に殴りかかる。
悠花は体を捻って衝撃を逃がし、靴の爪先の隠し刃で足首を突き刺す。
踵にぐっと体重をかけて、刃と靴の接続を解いた。
間髪入れず次の攻撃を。
逆手に持った短刀で目を狙う。だが避けられた。
「…やっぱり強いね。でも……。ねえ君、自我はある？」
「……」
脳無は何も応えずに悠花を殴る。悠花は正面から受けることを避け、躱すことに専念する。
「ない、ってことでいいのかな？ それとも、こっち側にそう思わせたいの？ もしくは口がきけないの？」
ここまで戦えて、耳が聞こえないってことはないよね？ と悠花は問う。
「まあ、それを調べるのは私の仕事じゃないからいいか。……そろそろ、効いてくる頃合いだしね」
その言葉と同時に、脳無の巨体がグラリと傾いた。
【黒死病の時代の饗宴】。
最初に靴の隠し刃で足首を突き刺した時に、感染させておいたのだ。"共喰い"の相手は、万が一があってはいけないので自分にしてある。
「はーい、拘束拘束ー。大人しくしてねえ、動けないだろうけど」
持っていた縄で縛り付ける。一応鋼線が編み込まれた縄にしてあるが、感染さえしてなければ簡単に引き千切られるだろう。
足と手をそれぞれ縛って、近くにあった柱に縛り付けたところで、悠花にも限界が来た。
自分の力で体を支えていられなくなり、倒れ込む。視線の先は、セントラル広場。
そこに居る、脳無に押さえ付けられている、相澤の姿。
(…駄目だ。ここで行っても足手まとい。
【黒死病の時代の饗宴】を解除すれば脳無も復活するし、かといって脳無を殺すわけにはいかない。【人間失格】を使っても、脳無のウィルスまで解除される。
出来ない。私には何も)
体調不良と悔しさで視界が滲む。
そこで、黒霧が戻ってきた。
でも大丈夫。もうすぐオールマイトが来るはずだ。
そこで、ふと、嫌な予感が首をもたげる。
《(私なんていう異分子が存在する時点で、ここは「『僕のヒーローアカデミア』という作品の世界」ではない、「それに似通った何か」になっている)》
蛙吹は本当に助かるか？
オールマイトは本当に間に合うか？
相澤は、緑谷は、１３号は、八百万は？
(…きっと、大丈夫。だって原作では…)
本 当 に そ れ に 頼 っ て い い の か ？
死柄木が、蛙吹へ手を伸ばした。
「…ッ！」
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9Sに殺されたいロリコン - いろんな人が作るんだね。3個目だよ (2019年7月29日 11時) (
レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
チルチルノ - これ確か似たようなやつあったような。。パクられたのかパクったのかよくわかんないや笑もしかして、作った作者さんが同じ？ってことはなさそ (2019年6月3日 11時) (レス) id: 803f5d1a59 (このIDを非表示/違反報告)
rottie(プロフ) - 名前が変更できないのがちょっと残念でした。 (2019年3月26日 21時) (レス) id: fdee528653 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年1月15日 20時
