＿＿special 2 years (ページ42)

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(丸山 side)

亮ちゃんを黙らせた彼。

すばるくんに誘われても、練習やから。

と断る佐野くんに

何故か興味が湧いた俺は、

マネージャーさんに後をつけて貰った。

俺らもよく使うスタジオで降りた佐野くんは、

コンビニのおにぎりを食べた後、

ひたすらギターを弾いて歌う。

『なにこれ…』

全身に鳥肌が立つ。

こんな歌聴いたことない…。

裕ちんも、すばるくんも言ってた通り。

彼の歌はすごかった。

楽しそうに歌ってるんやけど、

どこか儚くて。

いなくなりそうなほど、

透き通って見える。

只者じゃない。

しばらく歌ってたのに、手を止めてしまった。

佐「あかんあかん、また考え事してしまった」

ふぅ。とため息をついて

また始める姿に

俺は胸を打たれてしまった。

佐「丸山さん？」

やっと気づいた。

『お疲れ様』

佐「丸山さんも、お疲れ様です。」

『佐野くん、僕、認める』

『君の努力、声、全部。』

俺の言葉に、大きい目をぱちぱちとさせた後

佐「はい！！」

初めて笑顔を向けてくれた。

この笑顔が見たかったのかも。

『よ～し！！一緒に歌っちゃおかな～！！』