・ ページ14
・
高橋side
『今恭平の家の前に居るんやけど、出て来れそう？』
大吾くんからのメールに戸惑った。
もしかしてチャイム押したんかな…？
朝起きたら集合時間をとっくに過ぎとって
焦って連絡入れて家を出ようとしたのに
それと同時に気付いた自分の身体の異変。
押さえても離しても引っ張っても
何も聞こえない耳。
昨日は確かに耳鳴りがしてたけど
こんな急に聞こえへんくなるもんか…？
耳が聞こえへんってことは
メンバーに電話も出来へんし、
ダンスレッスンに行っても曲も会話も聞こえへん。
どうしようもない恐怖と不安感で
大吾くんからの連絡に返事をするのが
いっぱいいっぱいやった。
ほんまやったらちゃんと電話で連絡したかったけど
体調不良ってことにしてメールで済ませた。
耳が聞こえへん世界がこんなに閉塞的で
孤立感があるだなんて知らんかった。
試しに自分の声を出してみるけど
自分の耳には何も届かへんくって
ほんまに声が出せてるんかも分からんかった。
こんな自分と会ったら
大吾くんはきっと
何があったのか聞いてくるかもしれへん。
昨日のことがバレたら
自分たちのことを責めてしまうかもしれへん。
あいつらに大吾くんが家に来たことがバレたら
何しだすかも分からへん。
色々と頭の中がごちゃごちゃになったけど
大吾くんに
『今日は出られへん』とだけ返した。
返事した直後に
玄関のドアの鍵を閉めてへんことに気付いた。
開けられへんように閉めに行かな。
物音を立てへんように
そーっと玄関に近づいたのに
突然ドアノブが回り目の前で開いてしまった扉。
顔を覗かせた大吾くんの口元が動いて
何か言ってるのが見えた。
やけど…相変わらず何も聞こえへんくって
恭「今日、行けへんくてごめんなさい。風邪うつっちゃうかもやから帰って？」
自分でちゃんと喋れてるかも分からへんけど
ろくに目も合わさず一方的に伝えた。
よく見たら大吾くんの後ろには
謙杜やりゅちぇもいた。
よりによって3人揃ってるんや…。
謙杜やりゅちぇも何か言ってるみたいやけど
口の動きを見ただけじゃ何言ってるかなんて
分かるわけもなくて、
無理矢理押し出して扉を閉めようとした。
でも男3人に対して俺1人なんて負けるに決まってて
逆に押し返されて両肩を大吾くんに掴まれた。
まっすぐに見つめてくる目を見てると
強ばった身体から力が抜けていき
その場に足から崩れ落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 246人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きき(プロフ) - さむさん» リクエストありがとうございます！承知しました！次の章で順番に書かせて頂きますね！ (4月8日 21時) (
レス) id: 8199ce4c47 (このIDを非表示/違反報告)
きき(プロフ) - はるきさん» リクエストとコメントありがとうございます！承知しました！次の章で順番に書かせて頂きますね！ (4月8日 21時) (レス) id: 8199ce4c47 (このIDを非表示/違反報告)
さむ(プロフ) - リクエストをしたいのですが、閉所&暗所恐怖症の流星くんがエレベーターに閉じ込められて過呼吸になってしまうお話が読みたいです。助ける相手はお任せします！これからもお話楽しみにしています！ (4月7日 18時) (レス) id: d201bfdb69 (このIDを非表示/違反報告)
はるき - ききさん» 助ける役の3人はかなりキレてる状態で新人スタッフ達も怖がってしまう感じです。新人スタッフ達の攻撃は脱退と退所しても続く。理由は面白い遊びだから。最後は3人の説得で丈くんは復帰する展開です。病名は男性恐怖症です。4章お疲れ様でした。5章も頑張ってください。 (4月7日 17時) (レス) id: 801ad08d69 (このIDを非表示/違反報告)
はるき - ききさん» 新人スタッフ達は4人で全員男で19歳。彼らは長尾、流星、西畑の大ファンで大好きで丈くんが大嫌い。場所は地下5階の倉庫で時間帯は深夜。彼らは3人の前では優しい人を演じるため悪事がバレにくい。理由は丈くんを追い出して3人との充実した幸せの時間を過ごしたいから。 (4月7日 17時) (レス) id: 801ad08d69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きき | 作成日時：2024年3月12日 22時
