□Story.56 ページ6
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裕翔「俺が全部悪いから……」
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お兄ちゃんは小さな声でそう言うと
侑李が重ねた印の上にまた優しくキスをした。
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裕翔「何かあったら教室においで。
俺がいなかったら、涼介もいるし、ね?」
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たった一つしか変わらないのに
お兄ちゃんがうんと大人に見える。
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小さな子どもをあやすように私を抱き締めて
優しい声をかけてくれた。
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裕翔「このまま、どこか行っちゃいたいな。」
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私の頭をポンッと撫でてお兄ちゃんが笑って、
離れる体。
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でも、まだ一緒にいたくて
Yシャツの袖をぎゅっと掴む。
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裕翔「それ、他の男にしちゃダメよ。」
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腰掛けているベッドの横をポンッと叩いて、
お兄ちゃんは私の手を引いてくれた。
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裕翔「週末、マジでどこかに行こうか。」
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あ「えっ、いいの!?」
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裕翔「ん、いいよ。週末までには
蹴りつかせるから。」
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少し悲しそうな瞳。
お兄ちゃんは私の分まで色々背負ってくれている。
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裕翔「行きたいところ決めておいて。
母さんにお願いしてお金は貰うからさ。」
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2013年6月23日 5時