虹色のパレット (ページ20)

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「でも、何の面白みもない人よりは、Aさんのような夢を持ったお馬鹿さんの方が僕は好きですけどね」

好き、その言葉に異常なまでに反応して、お馬鹿さんなんて聞き捨てならない言葉に対して何も言えなくなってしまう

そんな自分がチョロすぎて別の意味で腹が立ってきた

「ほら、片付け終わったし、下校時刻とっくに過ぎてるから」

帰ろう、と乱雑に鞄を掴んで廊下に出る私の後をうわ、ほんとだと言ってついてくる剣持君

ふと目線を逸らすと瞑色に染まった空
続けて剣持君を見ると、彼も空の方を眺めていた

「Aさんの考えでいくと、僕たちの気持ちが違えばこの色も全く違う色に見えてるって事なんですかね」

何気なく放ったであろうその言葉は、私の胸に突き刺さった
自然と足が止まる

「多分、いや、絶対に違うと思うよ」

よせばいいものを、するりとそんな言葉が私の口からこぼれ出た

だって私は、剣持君と見る色は全部特別に見える
でも彼は

そこまで考えてやめた

ここで何を言っても剣持君が私を好きになるわけではない
何してるんだろ、私

変な沈黙を作ってしまったのが気まずくて、逃げるように一歩を踏み出した

「案外、同じかもしれませんよ」

私の背中に投げかけられたその言葉に、ぴたりと踏み出そうとした足が止まる
その言い方だと、まるで私の気持ちを知っているみたいな

もしかして、バレてる？いつから？本当に？それとも、ただの気まぐれ？

ぐるぐると考え込んで立ち止まる私を見かねたのか

「ほら、早くいかないと校門までしまっちゃいます」

そうなったら職員室で説教コースです、嫌でしょう？なんて言って、私の横を通り過ぎてさっさと前を歩いていく

ふと、通り過ぎるときに見えた彼の横顔

いつもより少し赤らんでいるような気がしたのは夕暮れのせいか、それとも

剣持君、私

ちょっとだけ期待しても、いいのかな

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どうも！ししゃもと申します、、！
この度は初の企画参加に加え、大好きな作品を手掛けている作者様方に囲まれてドキドキでした、、
少しでも皆様に楽しんで頂けていたら幸いです！

それでは、最後までお付き合い頂きありがとうございました！