【赤/knmc】初恋の色 ページ16
注意
夢主とknmcが同じ学校に通っています(設定改変)
knmc視点のお話です。
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｢あ、いた。見つかりました？｣
放課後、教室を覗くと独りで鞄の中を探っている貴女がいた。
｢あ、刀也。うん、お待たせ〜！家の鍵探してた｣
右手に鍵を握りながら笑っている感じ、この人のことだしすぐ近くにあったとかだろう。
本当、ドジな人だ。
高校に入学してからの仲だが、僕は貴女のことがずっと好きだ。
人一倍優しいところとか、ドジなところとか、喜怒哀楽が激しいところとか。
1度好きになってしまったら、どんな面を見てもこの感情が昂るばかりだった。
貴女のことしか考えられなくて、今まで色んな人に言い寄られてきても全部断ってきた。
こんな感情ははじめてで、どうしていいかわからなかった。
だから、1年経っても踏み出せずに友達のままだった。
｢早くしないと置いていきますよ｣
｢あ、まって刀也｣
｢はい？｣
｢……私たまたま見たんだけど、今日、女の子に告白されてたよね｣
｢！｣
ああ、見られてたのか。
僕が好きなのは貴女であってあの人ではない。
だから当然断った。
…どうしてそんなことを聞くんだろう。
『もしかして』と思い、僕は少し泳がせてみることにした。
｢はい。…お付き合いも視野に入れてみるつもりです｣
真っ赤な嘘がこんなにもすらすらと出るものなんだと自分でも驚いた。
｢そ、そっか…！あの子可愛かったし、お似合い…だと、思うよ………｣
明らかに悲しそうな顔をしながら言う。
僕がさせたのに、見てる僕の方が辛くて。
.
体が勝手に動いていた。
自分のした事に気がついたのは、行為をしてしまった後のこと。
僕は、貴女にキスをしていた。
｢……は｣
｢え？｣
｢いや、えって何！！？｣
窓から見える夕陽と同じくらい、顔を赤く染める貴女。
やっぱり、可愛くて仕方なくて。
｢すみません、嘘ですよ。僕が好きなのは貴女です｣
｢っ！？｣
1度してしまったことだ、責任は勿論取るつもり。
｢僕と付き合ってください｣
1歩踏み出せてしまえば、先に進むのは怖くなんてなくて。
｢……心臓に悪い嘘つくな、ばか刀也｣
僕に抱きついてきた小さな体はほんのり熱くて。
きゅうっと胸が締まる。
『初恋って何色なんだろう？』
昔、こんなことを思った。
今なら答えれますよ、昔の僕
僕の初恋は、空に浮かぶ夕陽と同じ『赤色』です。
＊(作者あとがき)→←【青/myzm】温かくて、離れたくなくて
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作者名：みそ漬けキュウリで殴る x他6人 | 作成日時：2021年11月16日 17時
