【wrwrd】A firm promise【企画】 (ページ6)

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『なにか…あった…？』

何も思い出せず、恐る恐る聞くだけになった。

「あーあ。覚えてへんのやったら仕方ないなぁ。やっと会えたんやから叶えてやろうと思ったのに」

会えたから、叶える。

会う約束…。

会って、何かをするって約束…。

･･････

『おおきくなったら！わたしと、結婚、してくれる？』

「結婚？まぁ、そうやなぁ。Aちゃんが大きなって、俺に会いに来たら、やな」

･･････

ああ。そうだ。
なんで忘れていたんだろう。

こんなに、大事な約束。
小さい頃に約束したじゃないか。

『トン、さん…』

「思い出したか？」

にっと、少し嬉しそうな笑みを浮かべていた。
ずっと、ずっと覚えてくれていたんだ。
私が忘れていた間も。ずっと。

トンさんは私の手をつかみ直し、片方の足を膝を地面につけた。

…なんだか、お嬢様と執事みたい。

ってそんな事を考えてる場合ではない。
すっごく真剣な顔をしているのだ。

トンさんは珍しく緊張しているのか、何度か深呼吸をしていた。
それにつられて私も緊張して動けなくなる。

一息ついて、ついに口を開いた。

「俺と…結婚してくれませんか」

断る理由もない。

ずっと、ずっと憧れで大好きな人だった。

自然と涙が出て、声が震える。

『もち、ろん…！よろこんで！』

*