【wrwrd】A firm promise【企画】 (ページ20)

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この後は少々暗い話になってしまう。

出征した彼は海軍で奮闘し続け、海軍大臣に上り詰めたという。
信頼できる部下もでき、それなりの生活を送っているようだ。

彼女のほうは変わらぬ土地でだいぶ不便にはなったがかわらず生活を続けていた。

手紙のやり取りでお互いの無事を確認しあった。
たまに小さな花びらや木の実も入っている手紙。
このままお互いが無事に生きていたら、そんなことを考えながら過ごす日々だった。

だがこのまま世界は続くわけもなく、大きな出来事は起こるものだ。
それがたとえ辛いことでも。

あるときから、彼からの手紙が来なくなったのだ。
初めは彼女も、忙しいのかとも考えていた。
それにしても来ないのだ。
戦争が激化したからか。それとも＿。
考えたくもないことが脳内を走るが、何か別の原因を考えて自分を納得させて、ただただ日々を過ごした。

数か月後
彼の訃報を知った。
遺体は発見されていないが、爆発の中心にいたとのことで死は免れなかっただろうという話だ。

数年後
戦争は終わった。激化したが、自国は優勢で勝利に終わったそうだ。

＊
話は短く端的に終わった。
長く話すようなことでもないからだろう。
彼の死の話はよく知っている。信頼している上官の死だ。
自分にとって本当に大きな、辛い出来事だった。
だが彼女の思いはまたさらに大きいものなのだということはよくわかっている。
「・・戦争は・・やっぱりよくないものです。つい前日まで隣にいた人が、次の日には列車でどこかに消えていったしまうんです」
戦場で声を張り上げ、相手国の兵の一生を終わらせている立場である自分には何とも言えない。
「・・なんて。彼もそんな役職にいたんですもんね」
辛そうに笑いながらそう言った。