【wrwrd】A firm promise【企画】 (ページ18)

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長く感じていないなんともいえないときめきだ。
自分も恋愛話の一つや二つはあるが久しく感じていない。
「なんだかここまでお話しするのはやっぱり恥ずかしいですね」
彼女は頬を染めながら笑った。
私も軽く微笑むとまた彼女は満足そうな表情になった。
「素敵だと思います。海軍大臣もお若かったんですねえ」
「ふふっそうですね」
話が進めば進むほどお茶の味は感じられなった。
２人の過去は本当に魅力的な人生だったのだなと感心してしまうほどだ。
「・・このあたりからトン六さんもご存じな話になってくると思いますよ」

・・・・戦争。
＊
２人の関係が確立されて食事だけではなくちょっとしたピクニックなどにいくようにもなった。
だが、２人の関係とともに世の中も変わっていった。
新聞は今まで以上に他国との争いが取り扱われるようになった。
そして軍学校に通う彼は訓練時間が増え、体の至る所に訓練の跡と思われる傷ができていった。
彼女もそれを心配したがどうしようもないことで、何もすることはできなかった。

その後しばらく経ち、本格的な戦争が始まった。
そして当然軍学校に通う彼にも出征の要請がきた。
もともと海軍に入るのが夢だった彼にとっては嬉しい話のはずだ。
だが今では以前とは違う心残りができてしまった。

＿A。
ここは比較的安全だとは思われるが、不安がないわけはない。
けがをしてしまうことがあったら。俺がいないことにさみしさを覚えてしまったら。
そんな不安をいくつも抱え、時間はどんどんと進んでいった。

出征前日
いつもとは違い、彼女が彼の家を訪ねてきた。
彼が想像していた、弱々しい彼女とは違い覚悟を決めているようだった。
そして彼に手作りの、緑色のお守りを渡した。
「いつでも、側にいますからね」
そう言って微笑んだ彼女の目にだんだんと涙が溜まってくる。
彼がハンカチを渡すと、彼女は鼻声で
「今日は、泣かない、つもりだったん、ですけど」
といいながら涙をぬぐう。
彼が抱きしめると、また彼女は嗚咽を漏らした。
「帰ってくるからな」
「・・・・待ってますからね」
そういいながらお互いに抱きしめる力を強めた。