【wrwrd】A firm promise【企画】 (ページ16)

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ひと月ほど、いつもの食事会は行われなかった。
ひと月会えないなんて以前にもあったことだ。
たったひと月。されどひと月。

初めはお互いに反抗心を抱いていたが数日後には２人とも我に返っていた。
後悔の塊である。

彼女はときおりため息をつき、彼は学校の試験勉強も頭に入らない。
だがお互いに大きな原因があるわけでもない喧嘩にこちらから謝ろうと言うにはなかなかふんぎりがつかず、長引いてしまったのだ。

・・
「先日はごめん。俺Aのことわかっとらんかったんやな。本当ごめん」

ある日突然に彼は彼女の家を訪ねた。
彼女は突然の来訪に驚いていたが、どこか安心しているようにも見えた。
「いえ・・私のほうこそすみませんでした。突然あんなこと・・・」
久しぶりの会話は途切れ途切れで、会話は成立しているのかしないのか。
でももう気まずいムードというわけでもなく、そんな途切れ途切れの会話に満足しているようでもあった。
お互いが本気で誤っていることくらい二人にはすぐにわかる。
すでに今まで通りだ。
会話の内容は本当に大したことではない。
いつもの食事とかわらない。
あるはずだった１度か２度の食事の機会に話せたであろう話をしているだけだ。
ただただ楽しい。
そんな時間がただただ過ぎた。
けれどそんな時間も終わりが来るもので、あっという間に夕方だ。
彼は両親に伝えてきてはいないようで帰宅しなければならない。

「送ります」
「ありがとう」

２人で彼の帰宅路を歩く。
２人、隣にいることの愛おしさを、感じていたという。