【wrwrd】A firm promise【企画】 (ページ1)

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tntn：憧れと嘘(みるく*) ページ1

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憧れの人。

その人のためなら、なんでも出来た。

その人に会うために、嘘をつくことだって。

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『今日からお世話になります！Aです！よろしくお願いします！』

目の前には、迫力のある人達が数人。
今日からここで、働くことになる。

頭を下げる時は、帽子を抑えながら。

「俺の兄弟のAね、体は細いけど…ゾムと同じ戦闘狂…」

僕が頭をあげたのを見て僕のことを紹介してくれるのは兄のひとらん。
ここ、我々国の幹部の1人。
そして、兄の紹介で、ここに来ることが出来た。

『本当に…僕ここに来て、ここで皆さんと一緒に戦っても…いいんですか…？』

正直、今でも夢なんじゃないかって思う。
でも、頬を叩いてもつねってみても、痛いだけ。
現実なんだって実感する。

「ああ、よろしくな。A
…では、トントン。Aの部屋を案内してやってくれ」

「ほいほい。じゃあAくん。ついてきて」

あ…。

トントン…さん…。

トントンさんを目の前にして固まってしまう。
1番、夢なんじゃないかって思うのがこれだよ。
小さい頃からの憧れの人…。

この人に会うためにここに来たって言っても過言では無い。
嘘までついて、来たのだから。

「ここや。今日からよろしくな。Aくん」

『よ、よろしくお願いします！！』

部屋はとてもシンプル。
シンプルというか、ものがないというか。
一応、カバンに必要なものはたくさん詰めてきた。
荷物を出す前にベットに座り込む。

ぎしっと、音が鳴ると同時に今まで付けていた帽子を外す。

ぱさっ…と帽子につめていた髪が舞う。

『わた…僕は…男としてここに来たんだ』

ここの人達についた小さな嘘。

((僕は男ではなく、女であること))

トントンさんに会うためにこんな嘘をついたんだ。お兄ちゃんだって反対していた。

それを押し切ってまで、ここに来た。

隠し通さなくては。