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みんなにバレないよう静かにその場を抜ける



 
そうはいってもあと少しで花火が上がってしまうため急がなければならない




 
まだまだ行き交う人の波を逆らうようにして歩く





 
離れたくない、咄嗟にそう感じてしまった俺は翔太の手を掴んだ








 
道のりを進み目的の場所に着く






照「ここだよ」


翔「おぉ…」


照「さっきの場所よりは大分見えやすいと思う」


翔「そうなんだ」


照「うん…」





 
…いざこうして二人きりになると余計に緊張するな




 
予想していた時間より早く着いたのか、まだ花火が上がる気配はない


 
出来たらそれで気を紛らわせたい所なんだけどなぁ…





 
翔「…照、」


照「えっ、何?」


翔「あの…もう、大丈夫だよ」


照「へっ?」


翔「これ…」





 
そういった翔太の視線が下に向かっていく




 
その視線を辿り着いた場所は手の辺りで






 
…俺はまだ翔太の手を掴んだままだったのだ





 
照「あっ、ゴメンッ!」


翔「いや…大丈夫だけど」


照「っ…」





 
うわぁ…何してんだ俺



 
てか第一、人混みではぐれないようにって理由で翔太の手を握ったけどさ


 
翔太だって一人の男なんだからさぁ、そんな心配する必要無かったはずなんだよね?





 
何してんだろ俺ホントに…




 
…いや、第一こんな場所に連れてくること自体おかしいか






 
多分、今の翔太の頭ん中想像つくよ



 
何でこんな場所に俺と来たんだろう…普通女子とじゃない?、だろ







 
違うんだよ…俺は、









 
俺は、翔太じゃなきゃダメなんだよ






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作者名:莎々 | 作成日時:2021年10月3日 14時

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