検索窓
今日:6 hit、昨日:22 hit、合計:25,247 hit

ページ48

.



投げ捨てた傘を拾い差してあげる





 
照「翔太、帰ろ」


翔「…うん」


照「帰ったら風呂入って温まろうな」


翔「…うん」


照「一緒入るか?」


翔「ふっ…イヤだ」





 
そういって俺を見た翔太にはまた笑顔が咲いていた



 
そんな彼が愛しくて、ニッと笑っているその唇にキスをした





 
冷めてしまった翔太の体に熱を与えるかのように、深く、長く





 
外でこんな風に恋人らしい事するの初めてだったから、なんかドキドキしたけど



 
こんな土砂降りの日に人が居るわけもなく





 
翔「ちょ、急にやめろよ」


照「ふふっ、ゴメン可愛くてつい」


翔「最近そんなのばっかじゃん」


照「だって事実だし」


翔「むぅ…」


照「…頑張ろう翔太、俺らなら絶対乗り越えられるから」


翔「…うん、ありがと」


照「よしっ、帰るよ?」


翔「うんっ」





 
こうしてまたあの時のような治療生活が始まった




 
ただ前回と投与する薬も違うから、少なからず体への影響は増えたようだ




 
投与後にうろうろすることも無かったし


 
普段から小食な彼が更に小食になって、更に細くなったように見える





 
そんな彼を見て俺も悲しいし辛いけれど、いつでも笑顔で接するようにしていた



 
少しでも、不安が消えれば…そんな思いで





 
そうして治療を始めてまた沢山の時間が経った頃





 
翔「照、」


照「ん?どうした」


翔「俺、この前先生に勧められたんだ」


照「何を?」


翔「在宅、療養?」


照「えっ?…何で急に?」


翔「最近投与の量も減ってて、何事も無ければ退院出来そうではあるんだって」


照「そうなんだ」


翔「でも…」





 
そう言った翔太の顔はどこか悲しげな顔をしていた







 
.

↓→←↓



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 雪男
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:莎々 | 作成日時:2021年10月3日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。