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翔「俺を…一人にさせて？」
その言葉を理解したくなかった
だって、それを受け入れてしまったら、もう俺は…
一生翔太の傍に居られなくなる
そんなの絶対嫌だ
照「…悪いけど、それは出来ない」
翔「っ、なんで、聞いてよ、おねがいっ」
照「嫌だって言ってんだろ！」
翔「っ…なんで？」
照「逆に何で？翔太前に言ったよな？俺がいなかったら頑張る意味ないって」
翔「それは…その時の話で、」
照「じゃあ今回は俺がいなくても頑張るって言うのか？」
翔「……」
照「俺は、前に翔太に言ったこと、忘れないからな」
翔「…えっ？」
照「お前のためなら何だってする、お前が望む事なら何でも聞いてやる
…それが、俺が翔太に出来る唯一のことだから」
翔「……」
照「翔太が感じてる痛みも辛さも、俺には感じることが出来ない
だから、少しでもそれが無くなるように俺は翔太の傍に居る、それしか出来ないから」
翔「そんなこと、ないっ」
照「…誓っただろ？翔太に」
翔「…なにを？」
照「一生、死ぬまで翔太の隣で笑ってたいって、それは逆も同じ
翔太にも、ずっと俺の隣で笑って欲しいんだよ」
翔「っ…」
一歩ずつ翔太に近づく
さっきまでとは違い、離れていこうとしない
ずっと雨で濡れていたその体をそっと抱きしめた
でも、どれだけ抱きしめても翔太の体の震えは治まらなくて
片手しか使えないこの状況がもどかしくて傘を投げ捨てた
翔太がこれ以上雨に濡れないように強く強く抱きしめた
翔「っ…ずるいよ、」
照「なにが、」
翔「なんで、そんなに優しいんだよ…？」
照「えぇ？」
翔「そんな優しくしないでっ…」
照「良いじゃん、優しくさせろよ」
翔「その優しさを失くすのが怖いんだよ…！」
照「っ！」
翔「まだ、なにも確証が無いとは言っても、いつか…いつかぁ…」
そこまで言って翔太は完全に泣き出してしまって言葉が続くことはなかった
でも、翔太の言いたいことは痛いほど伝わるからこっちまで辛くなる
その“いつか”が来るなんて、俺だって考えたくない
そんな不安もなくすようにもっと強く抱きしめた
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作者名：莎々 | 作成日時：2021年10月3日 14時
