↓ ページ32
.
しばらくして俺が待合室の方に先生が向かってくるのが見えた
「安静にはなりましたが、色々調べてみないと安心は出来ませんね」
照「そう、なんですか？」
「はい、ですから一度検査入院をしていただきたいと思っているのですが」
照「えっ…入院ですか？」
「はい、検査をして何もなければ退院できます。ですが持病があるようですね」
照「あっ、はい」
「どちらにしろそちらの方の関係で短期間入院する必要がありますね」
照「えっ…」
そこまで翔太の体は限界を迎えていたのか？
でも…ただの喘息なのにどうして？
先生に言われた部屋番号に向かうと、点滴を打たれながら眠る翔太の姿があった
ついさっきまで一緒に映画を観たり買い物をしたりした人とは思えないほどの姿に今にも泣きそうだった
最悪だ
もしかしたら今日一日の中でそんな傾向があったのかもしれない
そう思うと自分が情けなかった
そんな事を考えながらベッド脇にあった椅子に座っていると
ゆっくりと翔太の目が開いた
照「っ！翔太？」
翔「……ひか、る、？」
照「そうだよ？…ゴメンな翔太、俺全然気づかなくて…」
翔「…ううん、大丈夫、俺も…急に、来たから」
照「えっ？」
翔「何が起きたのか、正直、よく分かってない」
照「……」
自覚がなかったって事？
じゃあホントに何が原因で翔太は倒れたっていうんだ…
照「…翔太、あのね？」
翔「ん？」
照「先生が、検査入院しないといけないって」
翔「えっ…帰れないの？」
照「うん、あと検査結果とか関係なく短期間入院しないといけないんだって」
翔「……」
照「大丈夫、何もなかったらその短期間だけで良いんだからさ？」
翔「…うん」
照「明日、必要な荷物とか持ってくるな」
翔「…うん」
照「じゃあ…俺、帰るね？」
翔「…やだ」
照「えっ」
翔「もうちょっとだけ…いてほしい」
照「翔太…」
そんな悲しげな目で見るなよ
こっちまで辛くなるから
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：莎々 | 作成日時：2021年10月3日 14時
