Red Thread (ページ31)

今日:27 hit、昨日:22 hit、合計:25,268 hit

↓ ページ31

.

その後も少し買い物をしたりと充実した一日を過ごせた

　
時間も時間だしそろそろ帰るか、なんて思ってた頃

　
翔「ん…照、ゴメン、ちょっと電話」

照「おう、分かった」

　
そう言うと翔太は通行の邪魔にならない場所に移って電話に出た

　
俺は大体その反対側に、歩道にある柵に寄りかかって電話が終わるのを待った

　
何やら真剣な顔で話してる翔太

　
仕事関係のことかな

　
折角の休みなのにとか思うけど、まぁ仕方ないよな

　
そんなこと思ってると話し終わったのか翔太がこちらに向かって…

　
立ち止まった

　
照「…翔太？」

翔「……っは…」

　
なんだか…体が、特に手が小刻みに震えている気がする

　
次の瞬間

　
翔太の手からスマホが落ち、翔太自身もその場に倒れてしまった

　
照「っ！、翔太！！」

　
急いで駆け寄り、翔太を抱きかかえると尋常じゃないほどに体が熱かった

　
何で…？今朝計った時は平熱だったと本人も言ってたし

　
なによりちゃんと対策として薬も飲んだはず、なのに…

　
照「翔太…！？」

翔「うっ……ぁ…っは…」

　
とにかく、救急車呼ばないと

　
焦りからか指先が震え上手く打てない

　
それでもなんとかして連絡することが出来、現在地を伝え後は来るのを待つのみ

　
数分してサイレンの音が聞こえ、少し安堵した

　
でも、これからが大事なのだ、今気を緩めるのは間違ってる

　
車内では翔太が倒れた時の様子について聞かれた

　
俺は覚えている限りのことを伝えた

　
…正直パニックになってた部分はあるから、上手く伝わってるか分かんないけど

　
病院に着けばすぐに救急処置室という場所に連れて行かれた翔太

　
「渡辺さんのお連れ様でお間違いないですか？」

照「えっ、あ、はいそうです」

　
もちろんそれ以上の事は言いませんでしたよ、言えないの方が正しいけれど

　
「しばらく時間かかると思いますので、そちらの待合室でお待ちください」

照「あっ、ありがとうございます」

　
…そうは言われても

　
やはり心配で側を離れたくない

　
ベッドに寝かされた翔太は今もなお苦しそうな表情をしている

　
一体、何があったって言うんだよ…

　
.