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…普段の目黒がこんな感じではない分、すごく違和感を感じる
それに俺らの記憶にある半兵衛ってこんな人じゃないからさ、そこでもあまりのギャップに身体がムズムズする笑
とにかく今日会った彼女に関する情報は半兵衛に任せるとして、俺はまた明日からも頑張って翔太を探すことにしよう
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昨日は今日のためにと色々準備をしてきた
途中で戻さないようにするために食事もいっぱいしてきたし、まぁそのおかげで屋敷に戻ってからは一切食べれなかったけど
町の女性達を見て女性らしい仕草はどういうものかという研究もした、多少女らしくはなったと思う
結局帰る方法は見つからなかったので今日俺は照、改め新吉さんとデートをすることになった
本当はこんな事してる暇があるなら帰る方法を自分でも探したいんだけど…一向に俺に男物の着物を渡そうとしないものだから余計に雪さんとして外に出ない限り俺はずーっと屋敷の中で渡辺翔太の格好で過ごしている
さてそんなこと言っている暇があるなら早く支度しないと
宮「翔太さん、新吉さんが来られました」
翔「あっすぐ行きます」
宮「…本当に身勝手で大変申し訳ありませんが…何卒、藩のためにもよろしくお願いします」
翔「…分かりました」
そうだよな、この時代、武士の方の結婚なんて大体が政略結婚だもんな、例えどんなに嫌でも結婚しないとこの世界では生きていけないもんな
…よくよく考えたら俺だいぶ大事な役割任せられてるよな笑
まぁそこまで深く考えなくて良い、どうせ俺はいつかここからおさらばするのだから、後々この二人がどうなるかなんて俺には関係ない
門のところまで行くと新吉さんが待っていた
翔「すみません、お待たせしました」
岩「いえ、大丈夫ですよ…では、行きましょうか」
翔「はい」
新吉さんと他愛もない話をしながら町を練り歩く
やっぱり途中で食事処にも行ったから、昨日の準備は間違ってなかったな
大して何をするでもなく町を歩いたり、偶然開かれていた大道芸を見たりしながら楽しい一日を過ごした
気がつけばだいぶ良い時間帯、新吉さんに屋敷まで送ってもらった
翔「今日は本当に楽しかったです」
岩「私も、こんな一日を過ごせたのは久しぶりです」
翔「ふふっ…」
岩「そうだ、これを受け取っていただけますか?」
翔「えっ」
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作者名:莎々 | 作成日時:2023年3月27日 21時