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目「それで一度、翔太さんが一番最初に来た場所を教えて頂きたいのですが」


翔「えっ、照と一緒じゃないの?」


照「違う可能性があるから聞いてるんだけど?」


翔「あぁ、そっか」


目「じゃあ行きましょうか」




正直もうだいぶ前のことだし、渡辺家に近い所は何度も通ったけど最初の頃歩いてた場所とかちゃんと覚えてねぇ…



あぁ、でも確かここで馬に轢かれかけたような…そこで涼太そっくりの進之介に出会って、気がつけばお雪さんとして過ごすことになったんだよな


てことはつまり…




翔「あっ、ここです」


照「…やっぱり違う、最初向かう場所から明らかに違ったもんな」


翔「そうなんだ」


目「私が住んでいるところは南にあり、渡辺家は北にありますから、辿り着いた先も違ったのかもしれませんね」


翔「なるほど……あっ、もしかしてこれですか?その見た事無い床って」


目「そうです、これです」


翔「確かに…こんな場所の階段から落ちた気がする」


照「でも…こっちも別に目聡い物はないな…」


目「そこでなのですが」


翔「ん?」


目「お二方がそれぞれ辿り着いた場所の丁度中心になにかあるのでは無いかと思いまして」


翔「おぉ探偵物とかに良くあるやつ」


照「あるか?」


翔「えっ、ないかぁ」


照「知らねぇけど笑」


目「あの…探偵って何ですか?」


照「あっお気になさらず〜」


翔「とにかく行ってみましょう」


照「そうだな」


目「何となくですが…あの辺りが中心だろうと思う場所があるのでご案内します」


翔「凄いな」


照「あぁ」




ということで半兵衛について行くことしばらく




目「こちらです」


翔「へぇ、立派なお屋敷ですね」


目「ここは石見国浜田藩主、松平家の下屋敷です」


照「えっちょっと待って、阿部がうんたらかんたら話してた記憶があるんだけど…確か、ここって後々新橋演舞場になるんじゃ無かったっけ?」


翔「え、マジで?」


照「覚えてた俺を褒めてくれ」


目「何か思い当たるところが?」


照「はい、俺たちここにいずれ建てられる劇場で歌舞伎の公演を行っているんです」


目「なんと、歌舞伎は廃れずに残っているのですね」


翔「まぁ十割ガチガチの歌舞伎じゃないですけど」


目「ん…?」


照「と、とにかく、ここに帰るための何かがあると考えて良いって事ですよね?」


目「えぇきっとそうだと思います」





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作者名:莎々 | 作成日時:2023年3月27日 21時

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