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翔「…もし見つかったなら、照だけでも先に帰って？もちろん帰り方教えてから帰ってほしいけどさ」
照「え、ちょっ、何言って」
翔「一応さ、今俺はここで渡辺翔太じゃなくて渡辺雪として過ごしているの、今行方が分からなくなってるお雪さんに代わって渡辺家の為に一仕事やってるの…今もまだどこに居るかも分からない状態で俺が居なくなったら、誰がこの縁談を乗り越えるの？」
照「それはそうかもしれないけど…！」
翔「それに、俺が元の時代に帰る方法を代わりに探してもらう事を条件にお雪さん達の見合いの手伝いしてんの、いくら俺側の条件が満たされたからって、向こうの条件が満たしてない状態で帰るなんてそんな無責任な事は出来ない」
照「なっ…！」
翔「だから、お願い…俺は大丈夫だから、照だけでも先に元の時代に戻ってよ」
照「っ…そんなの、無理だろ」
翔「照…」
照「そんなこと俺には出来ない、何があっても俺はお前と一緒に帰るんだ」
翔「…でも」
照「でもじゃない！」
翔「ちょっデカい声出すなよ…！」
照「絶対に…俺の中で決めたんだよ、もう二度と…絶対この手だけは離さないって」
翔「っ…！」
照「何なら俺らも探すよ、その雪姫って人」
翔「えっ、そんな良いって」
照「何が良いんだよ、お前分かってるのか？もし雪姫さんが戻らない間に婚礼挙げて新吉の家になんか行ったら…困るのはお前だぞ？」
翔「そ…それは、そうだけど」
照「じゃあ素直に助け求めろよ」
翔「っ……」
照「…じゃあ、俺行くから、そろそろ戻らないと怪しまれるぞ？」
翔「あぁ、そうだね」
照「じゃあ…また」
翔「……」
はぁ…本当はこのまま俺のところに戻ってきてほしいけど、状況が状況だしこればかりは俺が手を引かないと、いつまでも嫉妬むき出しにするわけにもいかないしな
翔「…照」
照「ん、何？早く戻ん……」
翔「…待ってるから、早く見つけてくれよな…んじゃ」
照「……」
えっ？今、俺翔太にキスされた？翔太の方からしてくれましたよねあれは完全に
あぁ…もう、そういうの止めて欲しいよ
分かってる？自分がこういう事するから俺のそういう部分がこれでもかというほどに出ちゃう事にいい加減早く気づいてよ…
よっしゃますますやる気がみなぎってきた
この後半兵衛の家に戻り今後についての話をする俺を見る半兵衛の顔がこれでもかというほどに引きつっていたのはまた別の話
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作者名：莎々 | 作成日時：2023年3月27日 21時
