Famiglia (ページ10)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:95,950 hit

ーページ10

．

それから無事、大学に合格し、高校も何事も無く卒業できました

卒業してから一週間経ったくらいでした

僕はもうすぐ来る出発の日に備え、自分の部屋で荷物をまとめようとしてました

すると、下の階から叫び声、悲鳴が聞こえてきたんです

驚いた僕は、恐る恐る下に降りました

そこで見た光景に、僕は、言葉を失いました

リビングに父親と母親と妹、僕以外の家族三人が血だらけで倒れていました

あまりの衝撃の光景に、言葉も出なかったし、体も全く動いてくれませんでした

そんな中で唯一、携帯を取りに行けという信号が脳から来た気がして、俺は来た道を戻ろうとした、

その時でした

突然後ろから誰かに抱きつかれたんです

かなりの衝撃だったので、僕は思わず自分もこの犯人に殺されたのかも知れない、そう思いました

でも、いつまで経っても意識が遠のくことは無く、代わりに耳元で話す声が聞こえてきました

『……これで二人っきりだね』

全身に寒気と鳥肌が立って、鈍器で頭を殴られたような感覚に陥りました

聞こえてきたその声の主は、紛れもなく

翔『……せん、せい？』

上『そうだよ、翔太』

岩本side

照「つまり、渡辺さんの家族を殺した犯人って…」

翔「…そういう事です。」

こっちまで鈍器で頭殴られたような感覚になったわ

ずっと感じていたこの事件に対しての違和感が全て腑に落ちた

照「9年前…ちなみにご家族はどういう形で亡くなったという風に報道されたか、知ってますか？」

翔「…心中だと報道されたのを見ました。テレビはあったので、あそこ」

照「しかし、渡辺さんは今ここに、こうして生きてます。あなたのことはどう報道されてました？」

翔「…覚えてないです。その場には居合わせてなかった、それだけ」

照「……」

どうして心中だと思われたんだろう

家の人間でなければもれなくアイツが彼の家に入るためには窓を割るなど、何かしらの証拠がもれなく残るはず

なのに、そう取り上げられてしまう、何なら俺たち警察がそう判断したことに変わりはない

何でそんなずさんな事をしたのだろう

．