Famiglia (ページ8)

今日:2 hit、昨日:15 hit、合計:95,960 hit

Ⅱ．ページ8

．

外に出て待機して貰っていた方に運転を頼み、俺はさっき出会った彼と共に後部座席に座った

あっ、今のうちに班長に連絡しておこう

事情聴取のための部屋を確保しておかないと、

とはいってもこの時間帯からあの部屋を使う事ってそうないからな、報告と言うことで。

報連相、大事よ？

照「…あっもしもし班長お疲れ様です」

「お前いつ戻ってくるつもりだ？他の奴らかはすでに連絡来てるぞ？」

照「すみません、ちょっと気になることがあったものですから、調べてたんです。そしたら
　
　…届にはなかった方を一人見つけたんです」

「なに？」

照「詳しいことは署に戻ってから聞きたいと思ってるので、俺もこの後部屋使って良いですか？」

「…分かった。もしもの事を考えてアイツとはできる限り離れた場所でするようにな」

照「分かりました」

…そういえばアイツ、拘留期間が終われば戻ってこれる、とか言ってたけど、

まさか、この人がその戻りたい理由だとしたら…

チラッと横目に隣に座る彼を見る

ずっと窓の外を眺めて、どこか虚ろな目をしている

ようやく戻ってきたネオンに照らされている彼は、なんだか儚げで、目を離したら消えてしまいそうだった

多分、今彼が着ているこの真っ白な服がより一層そう思わせている感じがする

犯人の住処から無事に署へ戻り、早速指定された取調室に入った

できる限り離れた場所に入れてもらったから大変な事にはならないと思うけど…やっぱりちょっと心配

そういう時の対処の仕方とかちゃんと分かってないし

照「よいしょっと…とりあえず、簡単に自己紹介してもらっても良いですか？」

「…えっ？」

照「いや、これも重要な情報ですし、特に名前とか分からないと話しづらいんで」

「あっ、そうですよね、すみません」

照「いえ…じゃあ、名前と生年月日、とりあえずこれだけお願いします」

翔「えっと、渡辺、翔太です。1993年、11月5日生まれです」

照「えっ、じゃあ同い年ですね、俺も93年です」

翔「あ、そうなんですね」

照「…すいません、どうでも良いですよね」

翔「いや、そんなこと、無いです」

照「えっと、じゃあ早速ですけど

　渡辺さんは、どうしてあそこに？」

．