幸せを噛みしめるー石谷春貴 ページ10
「はるはる〜」
「ん?どしたー」
「おなかすいた」
「じゃあ今から作るね」
「やった」
お互いの行動がひと段落したのを見て声をかける。
今日は春貴がご飯を作ってくれる日。
本当は毎日でも作ってほしいくらい美味しい。
とはいっても春貴は忙しいし、嬉しいことに私の料理を食べたいと言ってくれるからたまにリクエストを聞いてもらう程度にとどめている。
「あ、柴漬け使っちゃうね」
「うん!」
今日はふと春貴の出ていた動画を思い出してチキン南蛮をリクエストした。
しかも理由までは言ってないはずなのに動画と同じアレンジをしてくれることになった。
え、私幸せすぎじゃない?
春貴が照れる姿を横目で見つつ、春貴の某ライブDVDを流して楽しんでいたらアッという間に出来上がったようだ。
「はい、どうぜがっくんとの動画でも見たんでしょ」
そういいながらポテトサラダまで出してくれる春貴。
「ねー最高の恋人すぎない?」
「はいはいどーも。ほら、食べよ」
「うん!ありがと!」
うっきうきで料理を口に運ぶ。
うっっっっわおいしい。ん〜、幸せ。
「どう?」
「めっっっっっちゃ美味しい!!柴漬けいいね!!」
「そっか、よかった」
「はるはる私のお嫁に来ない?」
「いろいろ違うし」
「やっぱ春貴のご飯好きだ〜」
「ん」
少し照れて微笑む春貴。
びっくりした可愛い。
こんな素敵な人とこんなおいしいご飯を食べられている。
夢なんじゃないかと思って自分の手の甲をつねってみても、痛いだけだった。
「まぁあれかな、Aへの愛情がこもってるから」
「へ?」
「・・・冗談だよ、そんな顔すんな」
おそらく耳まで赤くなっているだろう私の顔を見て春貴まで顔を赤くする。
「・・・春貴、大好き」
「なに、急に・・・」
「んーん、幸せだなと思って」
「そっか。俺もだよ」
ふにゃっと笑う春貴をみて、やっぱり幸せだな、と思った。
ご飯を食べ終わって二人で片づけをする。
そのあとはお茶でも飲みながらテレビを見てまったりする。
いつものお決まりのパターン。
「A、いっつも幸せそうだよな」
「え、そう?・・ん〜、春貴といるからかな」
「・・・じゃあさ、その、さ、」
なにか言いにくそうにしながらも不意に私の手を取る春貴。
「もっと幸せにして見せる、から、俺と、結婚してくれませんか」
まっすぐ真剣な目でこちらを見てくれる。
答えなんて一つしかないに決まっている。
「もちろん!」
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作者名:おーかみお | 作成日時:2020年1月19日 18時