恋のカタチ#２ (ページ50)

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＊第97話＊親友じゃない。ページ50

そうして、私たちの卒業式は静かに幕を閉じた。

卒業式が終わったあとの教室は、とにかく大にぎわいだった。

自分のノートにサインを求める人とか…

クラスメイト全員とツーショットを撮っている人とか。

そのなかで私は、静かに窓のそとを眺めていた。

「Aっ」

急に名前を呼ばれて振り返ると、そこにはスマホを持ったあおいが立っていた。

「写真撮ろ！ほら、もう最後なんだから」

『あ、うん』

私はあおいのスマホに目を向けた。

「いっきまーす！はい…えーっと」

パシャ

『え、え(笑)チーズとかないんかい！』

「いや、ピースかチーズかポーズか迷っちゃって」

『どーでもいいよ(笑)』

「んーじゃあ…」

『あおい(笑)そこで悩む人たぶんあおいだけだよ。よし、私に任せろ』

『あ、ぶれた』

「ちょっとちょっと。これで何回目？こんなに撮り直す人もたぶんAだけだよ」

『わかったわかった！これで決める！』

パシャ

「おーいいじゃん！」

『やっぱ私の腕は確かだったね？』

「どーだろーねー」

『ちょいちょい』

失敗の数も確かだったね、と笑うあおいを見て、私は…

『あおい、今までごめんね』

「へ、何が？」

『ほら、あのいろいろと…』

「それなら私も言いたかったんだけどさ。あのときはごめんね」

『あ…』

「言い方とか」

『ううん。あおいがいってくれたおかげで、私もいろいろ考えられたから』

「…この一年、めちゃくちゃ楽しかった」

『私も』

「これからさ…もう同じクラスとかになることはないけど…ずっと親友だからね？」

『親友じゃ…ないでしょ？』

「え、」

『そこは大ってつけなきゃ。』

「ふははははははははは」

『なんで笑うの！』

「いや、めっちゃどや顔だったから」

『え！もうやめてよ(笑)』

「あははは」

『最後くらいカッコつけさせてよ』

「ハイハイ。」

最後のあおいとの会話はほんとに楽しくて…

周りも見えないほど話に熱中してしまった。