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*第92話*君の面影 ページ45

「うわ、だいぶ時間経っちゃってるね」




増田くんが腕時計を見てそう言った。





『あ、私最後にあれ乗りたい…』


「何、あれって…コーヒーカップ?」


『うん!』








増田くんはそんな私を見つめて、ふっと笑った。






「ほんと子供かよ」


『いいじゃん! あ、回るの嫌い?』


「いや俺は別にいいけどさ。まーいいや、いこいこ」









ということで、今日の最後の締めはアトラクションはコーヒーカップになったのだが…







『きゃーっ!めっちゃ回るー‼️』


「速いって!ほんっと知らねーよ!」









調子にのってコーヒーカップを回しまくった私のような人間の道末といえば。









『…うわ、フラフラする…』








案の定、私はフラフラ状態に。









「バカ、だから言ったろ」


『ごめんなさい…』


「いいから。とりあえず休も」


『うん…………わっ!』


「え!」








フラフラ状態で歩き出した私は、近くの段差で足をぐきっと…




「…二回目だな」


『うう…』


「歩けねぇの?」


『えっと…』







私が答えを出す前に、増田くんは背中を向けてしゃがんだ。









でも私は…







おんぶされることへの抵抗は一切なかった。







それはきっと








あの体育祭のせい。









私は無意識のうちに、あのときの練習のように増田くんの背中に身を預けていた。








…でも









違う。









背中の感覚と







温もりと








柔軟剤の匂いと…









私は反射的に増田くんの背中から降りてしまった。








急に後ろが軽くなった増田くんはビックリしていて。









猛烈な申し訳なさがこみ上げてきた。







『っ…ごめん』


「ううん、大丈夫?一人で歩けんの?」








私は静かに頷いた。








増田くんもそれに頷きながら笑っていたけど、その後ろにはやはり切ない顔が浮かんでいた。









「…帰ろっか」


『…うん』







私たちは遊園地を出た。

*第93話*最後のデート→←*第91話*約束の時間



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設定タグ:手越祐也 , 増田貴久 , NEWS   
作品ジャンル:恋愛
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きぃてご(プロフ) - ラッキーガールさん» ほんまですか!(笑)本当にありがとうございます!更新頑張ります! (2018年5月2日 19時) (レス) id: 1b3933b67a (このIDを非表示/違反報告)
ラッキーガール(プロフ) - ほんまにこの小説大好きです!!!更新ずっと待ってますww (2018年5月2日 16時) (レス) id: cad5106df9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きぃてご | 作成日時:2018年4月15日 22時

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