恋のカタチ#２ (ページ27)

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＊第75話＊遅れた理由ページ27

体育祭終了後。

私はあおいと片付けを行っていた。

「ほんと、最後の体育祭楽しかったよね！」

『うんっ』

「A、何回も言うようだけど、コーンよかったよ」

『あっはは。ありがとう。
…ってそれより手越くんだよ。足大丈夫かな…』

私はふと、テントを片付ける手を止めた。

「捻挫だったんでしょ？…無理して走ってたからね…」

『声かけたかったけどさ、他の友達がわらわらいて無理だったから』

「ああ、あのときね(笑)男子たちがわらわらいたわ」

『そうそう』

「…あっそうだ、私ね、今日見たんだけど」

『え、何を？』

あおいは私の耳もとで口を押さえた。

「今日朝早くにね、となりの公園で手越くんが練習してるの」

『え、』

「たぶんリレーの練習だよ。ずっと走ってたから」

『…なんで？足速いのに』

私がそうたずねると、あおいはケラケラと笑った。

「Aってほんと鈍感だよね！…いいとこ見せたいからに決まってるじゃん」

『いいとこ…？』

「俺ぶっちぎりって得意気だったのも、今日捻挫してまで走ったのも…Aにいいとこ見せたいからなんじゃん？」

『…それで…遅れてきたってこと…』

「え、遅れてきたの？手越くんが？」

『あ、いや、うん…ちょっとあおい、私あの人探してくる』

「ほーい」

そうだ。

手越くんが寝坊なんかで遅れてくるわけないんだ。

それを私は。

バカ。

私なんてデリカシーないんだ…

私はひとまずグランドに出た。

…でも体育祭の最後いなかったから、きっとけがが悪化したんだ。

それなら…今もまだ保健室？

急がなきゃ。

私は靴を脱ぎ散らかして、もう一度校舎に戻った。