*第51話*話せない。 ページ3
そんなある日。
私は広報委員のチェック表を提出するため、廊下を歩いていた。
そんな時。
「マジで手越ってさー」
えっ
ビクッとからだが反応してしまう。
恐る恐る後ろを振り返ると、おそらく同学年と思われる女子軍団がそこにはいた。
なんか…目立つリーダー的な人たちだな…
「あ、もしかして桜井さん!?」
『ええ!』
そんな目立つ人たちの中でさらにイケてそうな子の一人が、突然話しかけた来た。
なんで私の名前…
「桜井さん!」
『…うん桜井だけど…』
「やっぱり!」
そういって女の子はニコッと笑った。
「あ、私ね、上島って言うんだけど。」
上島…
あ、あのときあおいが言ってた…
手越くんのこと好きだったって子だ。
『ああ!上島さん!』
「え、知ってる?」
『うーん、まあ』
「そっか。…で桜井さんって、今手越につきまとわれてるって有名の人だよね?」
『ゆ、有名!?私、有名なの!?』
「うん。だいたい知ってるんじゃない?」
『うわ、ほんとに?』
「ほんっと迷惑だよね、あいつ。」
『え…』
この子、手越くんのこと好きだったんだよね?
「でも私、昔は手越のことちょっとだけ好きだったの。」
『今は…嫌い?』
「当たり前じゃーん!だってうざくない?
あのテンションとかひくし(笑)それにさ、あの顔。調子のってるでしょ!」
『…そっか。』
こんな話、何ヵ月か前の私だったらどれだけ共感できてしゃべってたんだろう。
たぶん、そのおしゃべりは永遠に終わらなかった。…はずだった。
でも今は話せない。
「だからさ、桜井さんも早めに逃げといた方がいいよ。体育祭のペアも隣の席人とらしいし」
『え、そーなの!』
「うん。あ、私体育委員だからさ(笑)」
『そっか。…いろいろ話してくれてありがとね。』
「ううん。じゃばいばーい!」
私は上島さんと別れた。
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きぃてご(プロフ) - ラッキーガールさん» ほんまですか!(笑)本当にありがとうございます!更新頑張ります! (2018年5月2日 19時) (レス) id: 1b3933b67a (このIDを非表示/違反報告)
ラッキーガール(プロフ) - ほんまにこの小説大好きです!!!更新ずっと待ってますww (2018年5月2日 16時) (レス) id: cad5106df9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きぃてご | 作成日時:2018年4月15日 22時