恋のカタチ#１

＊第19話＊帰り道 ページ20

『いいよ』


「ええええっ！マジで！？」





手越くんはでっかい声でそう叫ぶ。




その横では




「まじか…」





増田くんがひき気味でこちらを見つめていて。




「やったやったやった！帰ろーAっ！」


『は、ちょ、待ってよ！
あ、増田くんまたまたごめんね…さっきは』


「それはいいけど…あれと一緒って大丈夫？」





増田くんは、廊下でぶんぶん手招きをしている手越くんを指差してそう言った。


『大丈夫…うん。』


「はーやーくーっ！」


『あーそんな急ぐ必要ないでしょ！』




私は仕方なく手越くんのもとへ急いだ。









『え、自転車…？』


「うん。俺チャリだよ」


『私徒歩だけど。帰れないじゃん』


「おして帰るに決まってるじゃん！」


そういいながら自転車をおして歩き始めた手越くん。








私も慌ててついていった。









「国語の先生いるじゃん」


『うん』


「あの先生ってさ、よくですよねーって言わない？」


『…』


「ねぇ」


『…』


「A。」


『っはい』


「聞いてなかったねー？」


『ごめん…』




さっきからとなりで何かとしゃべり続けている手越くんだけど。





話の内容がどーでもよすぎて、全く頭に入ってこない。




「ねぇ、言うと思わない？」





え、何が。




『…うん言う言う。私もそう思ってたー』


自分でも分かる、THE棒読み。



なのに。



「やっぱ！？だよね！」


手越くんは私の棒読み発言に目を輝かせて。




『あ、うん…』




いつも私がそっけないからかな。








私の一言一言にやけに食いつくんだよな…

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