our heart is beside you 【yuta.j】 (ページ38)

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嫌でも明日は来る。

そんなの誰でもわかっている

けれど、今はそんな当たり前のことさえ受け入れたくない。

午前10時。

またあのスタジオに来ていた。

先輩は体調を崩して遅刻らしい。

今日も打ち合わせだった。

「「おはようございまーす」」

彼らがスタジオに入って、早速開始。

「これはこの色の方がよくないですか？」

「…うーん、でも予算がね」

勇太にはステージのセットにどうしても使いたい色があるらしく。

「橘さん、どう思う？」

突然、スタッフの方に聞かれた。

「どうしてもこの色を使いたいなら、素材を変えるしかないですよね」

「造花の素材って変えれる？」

「まあ、限られてるけどいけると思う」

勇太は私のことを苗字で呼ぶ。

それがなんだか複雑で。

赤の他人のはずなのに

「たしかに。
…難しーな」

「問題は、どの素材がいいのかってことだけど、」

平野さんが沈黙を破って言った。

今日はみんな調子が悪いみたいだ。

「明後日の打ち合わせの時までにカタログをメールで送って、サンプル用意するので…それでも良いですか？」

「じゃあ次のやついこっか」

結局は私の力不足。

2日目にして心が折れかける。

こういう時、ずっと励ましてくれたのは勇太だったな

全然当たり前なんかじゃないんだよね