一生添い遂げます＿＿＿【煉獄杏寿郎】

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「奇麗な月だ」


「本当に奇麗です」


今宵は珍しくも彼に休暇が入り屋敷の庭にて
酒を嗜んでいた


お互いほんのりと頬が紅く染まっていて
心地よい風が髪を揺らす


「杏寿郎さん。
私、鬼殺隊に入隊しようと思っているんです」


「何？」


「鬼となり果てた私の残りの命。
やはり、鬼舞辻無惨の首を撥ねることが最大の役目だとそう思ったんです」


「否、鬼殺隊に入らなくても鬼舞辻は追えるだろう？

...それに、無理に鬼を狩らなくても良いじゃないか」


「鬼殺隊には御恩があります。
その返し方はこれが一番妥当だと考えたんですよ」


酒を置いて彼の方へ向き直れば
どこか寂しそうな視線を送っていたことに気が付く


どこまでもお優しい。
身を案じてくれていることは重々承知の上
だからこそ、最期の一瞬まで刀を握りしめておかねばならない


「杏寿郎さん

幼い頃の夢を叶えさせてください」


はっと息を呑んだ彼
幼い頃夢絶たれたと絶望していたあの日
誰よりも、貴方の傍で共に刀を振るいたかった


「遅くなってしまいすみません

貴方の隣にいても恥のない強さになったと自負しています」


「....全く

今それを言うか？共に戦おうA」

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