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♢Hikaru
「あのさ」
照「ん？」
「...別れよっか」
照「え...？」
「私...子供産めないかも。
ひーくん、将来子供欲しいって言ってたじゃん。
私じゃ...できないかもしれないから」
俺は誰の子供でもいいわけじゃないのに。
そんなこと言うなよって言葉が
すぐそこまで出てきたけど飲み込んだ。
今のAちゃんに言うのは
責めるような言葉じゃないって思ったから。
照「あのさ、俺も言いたいことあるんだけど」
「ん？」
照「結婚しよう」
「え？」
照「僕と結婚してください」
本当はもっとロマンティックな演出とか
したいと思ってたんだけどな。
でも今しかないって思ったから。
照「俺は誰の子供でもいいわけじゃないよ。
Aちゃんとだから
結婚を見据えたいって思ったし、
一生一緒に居たいって思ったんだから」
「ひーくん...」
照「俺の奥さんになってよ。
こういうことも一緒に背負わせて？」
「本当に私でいいの？」
それ付き合う時も言ってたっけ。
照「Aちゃん“が”いいの。
Aちゃんと家族になりたいんだよ」
「ひーくん...嬉しい。
私でよければ...よろしくお願いします」
照「絶対幸せにする。
悲しい想いなんてさせないから」
「うん、私も同じ気持ちだよ」
Aちゃんはそう言って泣いてたっけ。
照「泣かないでよー笑」
「だって...嬉しくて」
照「本当は一緒に住んで落ち着いたら
夜景の綺麗なところで
プロポーズしようと思ってたんだけどな(笑)」
早まっちゃったって言ったら
そうだねって泣きながら笑ってた。
その姿が愛おしくて可愛くて、
気づいたらまた抱き締めてた。
照「Aちゃん...愛してるよ」
「うん、私も愛してる」
大好きって言いながらギュッてされて
Aちゃんも力強いなーって。笑
照「苦しいじゃん(笑)」
「ひーくんもいつもしてるじゃん(笑)」
照「泣くか笑うか、どっちかにしてよ(笑)」
Aちゃんの涙をそっと拭って、
そっとキスをした。
『失礼します』
唇が離れた時に看護士さんが入ってきて
俺らは顔を見合わせて笑っちゃったな。
『旦那様ですか？』
照「いえ、婚約者...ですかね」
『あら、じゃあラブラブですね(笑)』
照「そうですね(笑)」
「ちょっと...笑」
恥ずかしそうに笑うAちゃんの
ほっぺたがちょっと赤かった。
次の日手術をして、
その次の日には家に帰ってきた。
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作者名：のらんせ | 作成日時：2022年9月8日 18時
