♢_94__________ ページ45
♢Shota
「でも...ソファーは無理そうじゃん」
一気に気まずい雰囲気が流れる。
俺だってこんなこと言いたくはなかったけど。
でも我慢できる気もしなくて
もっと早めに帰るように手配しとけばよかったって。
翔「とりあえず今日は寝ようぜ」
もう限界って言って諦めてベッドに入ったら、
Aもそうしてた。
思ったより近いな...
「おやすみ...」
翔「ん、おやすみ」
俺なりにずっと配慮して
一緒に寝ないようにしてた。
Aに気持ちがバレてからは特に。
どうしても1人じゃ寝かせられないなって時だけ。
そう決めてたから、今回のことは予想外すぎた。
そんなこと考えてても
さすがに長旅と片付けの疲れには
勝てなくて気づいたら寝てた。
朝起きたら、Aが隣にいなかった。
まだ眠いなーって思いつつも
今日は近所に何があるか探索したい
って言ってたし、そろそろ起きないとなー。
「おはよう」
翔「おはよ...」
「朝ごはん準備してるよ？」
翔「ありがと」
「私食べたから、もう準備するね」
化粧とか着替えとか1人でせかせかやってた。
日本に居るときはあんまり着ないくせに
すっげーカジュアルな格好してるし。
俺のこと、男として見る気ねーじゃんって。笑
「ねぇ、何見てんの？」
翔「いや、別に」
「早く食べてよ。私明日から仕事だし、
今日は早めに寝たいんだけど」
翔「分かってるって」
そうは言ってるけど、
まだ朝の8時なんだけどな。
こっちに居る間はこいつしか運転できないし、
文句も言ってられないから、
朝食かき込んで準備を済ませた。
「行くよー」
翔「おう」
Aが運転してるのもなんか新鮮だな。
「そんなに見ないでくれる？」
翔「いいじゃん」
「運転しにくいんだけど」
翔「可愛いから見てるだけ」
「もう...」
こんな調子で2週間なんて
俺本当に大丈夫かよ。
結局この日はドライブがてら
近所に何があるかとか確認して、
1番近いモールで飯食って。
たわいもないことだけど、
異国の地ってのもあるのか、
Aと一緒だからか...
全部が新鮮で楽しかった。
Aの仕事も始まったら、
俺も日本と時間合わせて少しミーティングしたり、
報告を受けたりして日中は過ごした。
主夫もありだなーとか
くだらないこと考えたっけ。
長いと思ってた滞在期間は
結局あっという間だった。
俺が帰る前の夜、
Aといつもみたいにベッドに入った。
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作者名：のらんせ | 作成日時：2022年8月28日 21時
