♢_63__________ ページ14
♢YOU
照くんの手は、大きくて温かかった。
前にも握ってくれたけど、
正直あの時は余裕がなかったから。
家に着いても何となく
照くんのことを考えちゃった。
私、照くんのこと好きなのかな。
涼太のことを好きになった時って
どんな感じだったっけ...
もう思い出せないな。
照くんのことを考えちゃうけど、
ふと翔太のことも頭に浮かぶ。
私ってどこまで欲張りなんだろう。
そんなことを考えながら眠りについた。
時は少し流れて、
照くんと水族館に行く日が来た。
この間家に送ってもらった時に、
照くんの地図アプリに私の家の住所を
登録してもらった。
照くんが遠慮がちに聞いてきた時は
可愛かったなーって思い出す。
照「大丈夫?キモくない?笑」
「大丈夫だよ(笑)」
そんな会話をしたっけ。
時間が近づいてきたから外に出たら、
照くんの車が見えて慌てて降りた。
「お待たせ」
照「早く着いちゃった(笑)」
今日も車の外で待ってくれてた照くん。
女ってこういうの弱いよねーなんて。
照「閉めるよ?」
「うん、ありがとう」
照くんが乗ったらすぐに発進した。
照「何かこの間と雰囲気違う」
「そうかな」
照「今日はお姉さんって感じ」
「この間は?」
照「女の子ーって感じ?」
「そうかな(笑)」
あんまり変わらないと思うけど(笑)
覚えてくれてるだけで嬉しいや。
照「お昼食べた?」
「いや、食べてない」
照「向こうで食べてもいいけど、どっか寄る?」
「私はどっちでも。お腹すいてるの?」
照「朝食べてないから(笑)」
じゃあどっか寄ろうかってことになって、
私は助手席でいい店ないかなって検索してた。
照「そこまで調べとけばよかったなー」
「このくらいするよ?」
照「でもその方がカッコつくでしょ?笑」
「そうかもしれないけど(笑)」
照くんって恥ずかしがりなのか、
積極的なのかわかんない。
照「俺さ」
「んー?」
照「遠慮しないって決めたから。
翔太にもAちゃんにも」
「どういう意味?」
照「んー...覚悟しといて...ってことかな?」
ちょうど赤信号で止まって、
真剣な目で見つめられたからドキッとしてしまう。
照「でも、
そこは安心して?
Aちゃんに幸せになってほしいだけ」
「照くん...ありがとう」
照「それが俺とだったら
なおさら嬉しいけどね?笑」
:
♢_64__________→←♢_62__________
51人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:のらんせ | 作成日時:2022年8月28日 21時