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◁◁YOU
照と付き合って半年くらいが経った。
私は全てのレコーディングと
ミュージックビデオの撮影を終えた。
怒涛の日々だったけど、本当に楽しかった。
ここからはスタッフの意見も交えながら、
最終的にアルバムに収録する曲を決める。
照と会える時間は少し減ったけど、
それでも少なくても週に1度は会えてた。
「お待たせ」
照「遅くまでお疲れ様」
「迎えに来てくれてありがとう」
照「こんな遅くに送迎ないなんて、
ほっとけるわけないだろ?」
あの会議の後にリリースした新曲は
結局何の音沙汰もなく終わってしまったと思ってた。
3ヶ月が経った頃に、
SNSで歌詞がいいと話題にしてもらって。
それから動画投稿で使ってくれる人が増えて。
私は少しだけ、名を上げることができた。
今日はそれのお陰で入った取材の日だった。
遅い時間に終わるけど、
まだ私は送迎とかは付けてもらってないから、
心配した照が迎えに来てくれた。
照「俺んちでいい?」
「うん、お願いします」
この日に見た景色は、
今でもすごく鮮明に記憶に残ってる。
何でだかわからないけど、
すごく気分がよくて鮮やかに見えた。
照「明日何時だっけ」
「明日は12時に事務所に行くことになってる」
照「俺オフだし送るよ」
「ありがとう」
お願いしますって言ったら、
照が隣にちょこんと座って抱きしめられた。
照「A、明るくなったね」
「そうかな?」
照「出会った時とは全然違うよ?」
「それって...照的には嫌?」
照「嫌じゃないよ。表情が豊かになって、
もっと色んなAの顔見たいなーって思う」
「そっか...じゃあよかった」
私はまだ照のことに関しては自信が持てなかった。
本当に照は私のことを好きなのかなって
どうしても考えちゃう時があった。
その度に照はAだけだよって言ってくれたけど、
どこかで信じられてない自分が居た。
照「A?」
「ん?」
照「話聞いてた?」
「ごめん...考え事してた」
照「明日何時に終わるの?」
「明日は...18時くらいかな」
照「また迎えに行ってもいい?」
「いいの?」
照「Aに会いたいから」
「うん...ありがとう」
照はいつだって、
私を安心させる方法を考えてくれてたと思う。
照にできる全ての方法で、
私のために行動してくれてた。
だから、照が悩んでるなんて
少しも考えたことはなかった。
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作者名:のらんせ | 作成日時:2022年10月9日 13時