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◁◁YOU
プライベートの時間に、
メンバーの名前を出されるのは嫌なのかなって。
少し後悔した。
初めて見つけた共通点っていうか...
意外と近くに近しい人が居たんだなって
私は嬉しかったんだけどね。
照は違ったみたい。
照「あのさ」
「ん?」
照「俺結構、嫉妬深いから」
「?」
照「Aの口から、男の名前聞きたくない」
「ごめん...」
嫉妬してくれるってことは、
私のことよく思ってくれてるのかな?
照ってよくわかんない。
照「シャワー浴びておいでよ」
「あ、うん...」
照「今日は帰るつもりだった?」
「いや...あんまり考えてなかった...かな」
照「Aが帰りたいなら...送るけど」
試されてる感じがした。
私の口から、帰りたくないって
一緒に居たいって聞きたいんだろうなって、
何故かそう伝わってきた気がした。
「...帰りたくない」
照「じゃあ、どうすんの?」
「泊まってもいい...?」
じーっと無言で見つめられたら、
体中が熱くなっちゃいそうなくらい恥ずかしい。
照「...いいに決まってるじゃん」
「...ありがとう」
照「お風呂こっちだからどうぞ」
さっきの視線が嘘みたいに、
普通のトーンに戻る照になかなかついて行けないな。
私ばかりが振り回されてる感じが、
あんまりいい気はしない...かも。
照「シャンプーとか俺ので大丈夫?」
「うん、平気」
照「今度Aの買いに行こっか?」
「え?」
照「だってまた来るでしょ?」
「...」
照「え、来てくれないの...?」
「そういうわけじゃないけど...」
照「じゃあ明日買いに行こう」
「...うん」
モヤモヤするのに、首を横に振れなくて。
照は私のことどう思ってるか知りたいのに、
この関係が壊れるのも怖くて踏み込めない。
また来るでしょ?って、
私にとっては複雑な言葉だな。
照「タオル、これ使って?」
「ありがとう」
照「ゆっくり入っていいから」
「うん、ありがとう」
照が出て行ったから、私はシャワーを浴びた。
念のために着替え...持ってきててよかった。
照も知ってたくせに、帰りたいなら送るなんて。
どうして試すようなことするんだろう。
照はゆっくりどうぞって言ってくれたけど、
人の家だと落ち着かなくて。
体が温まったら照のところに戻った。
照「おかえり」
「ただいま。お先でした」
照「俺も行ってこようかな」
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作者名:のらんせ | 作成日時:2022年10月9日 13時