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◁◁YOU
「お疲れ様です」
照「ごめんね、遅くなって」
「ううん、平気だよ」
私がそう言ったら、そっと頭を引き寄せて
髪の毛にキスを落とした照。
誰も通ってないとはいえ、
マンションの前で少し恥ずかしい。
照「乗って?」
「ありがとう」
今日も照はドアを開けてくれる。
運転してる横顔、この間はまともに見てなかったな。
照「そんなに見られたら事故っちゃう(笑)」
「あ、ごめん...笑」
照「ううん、いいんだけど(笑)」
そう言ったら頭を撫でられて、
危ないよって咄嗟にハンドルに手を戻す。
照「Aの手、冷たいよね」
「そうかな?」
照「この間から思ってた。
あっためてあげるから貸して?」
「危ないから大丈夫」
照「危なくなったらちゃんと離すから」
「着いてからにして?心配になっちゃうから」
照「ふーん...」
「何?」
照「そんなこと言っちゃうんだなーって(笑)」
照がたまにするいたずらっ子みたいな表情。
結構好きな顔かもしれない。
「どういう意味?笑」
照「別に、深い意味はないよ?笑」
「ありそうな言い方してるけど...笑」
この間とは違う雰囲気だった気がした。
距離が縮まってる証拠なのかな?
前よりはいい意味で気張らずに居れる感じ。
照「そういえば何か食べた?」
「食べてない」
照「何か買ってく?」
「うん、そうだね」
照「俺あんまり料理できないから、
材料とかなくてさ」
「そうなんだ」
照「Aって料理するの?」
「うーん、焼くだけとか炒めるだけとか
あんまり料理って言えないかな(笑)」
照「今度作ってよ」
「大した物できないよ?」
照「Aが作ってくれるなら何でもいい」
「うん...わかった」
じゃあ今日は買って帰ろうって、
途中でお弁当屋さんに寄って夕飯を買った。
お互いそんなにお金があるわけじゃないから、
その辺の大学生と
あんまり変わらなかったんじゃないかな。
照「どうぞー」
「お邪魔します」
照「遠慮しないでね」
照に手を引かれて、そのままリビングに。
リビングっていうほど、
広い部屋でもないんだけど。
男の人の一人暮らしって感じだった。
照「せまいけど、その辺座って?」
「ありがとう」
照「とりあえず食べよっか」
「うん、そうだね」
お腹すいたねーって早速お弁当を広げた。
「「いただきます」」
ただお弁当を食べてるだけでも
すでに楽しいと思ってた。
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作者名:のらんせ | 作成日時:2022年10月9日 13時