足 ページ45
飛雄のサーブは勢いが凄まじくコントロール力も知っての通り。徹くんには及ばないにしても、かなり強烈だ。
これが模倣だなんて、常人のなせる技ではない。
「すごいよね、やっぱ強烈だし」
「うん、俺もあんなサーブできたらいいんだけど」
「多分無理だよ」
「えっ」
にこりと言うと忠はショックを受けたように固まった。
「だって、飛雄は元からある才能にプラスしてちゃんとパワーとかもあるからね。今から鍛えてもきっとできるようになるのは.......結構時間いると思う」
「そう、だよね」
「うん。でも飛雄はジャンフロできないから」
「！」
できないというか、やろうと思えば彼ならできてしまうかもしれない。
けれど少なくとも今の彼にはできない。
「忠には忠のできることがあるよ！」
ばしっと背中を叩いてやると忠の目が潤んで、
「進展あったら報告してね！
動画付きで！」
「うん.......！進展なくても毎日送る.......！」
「ＬＩＭＥ重くなりそう」
.
みんなと話していると自然と心が軽くなって、悲しみ寂しいなんていう感情はどこかに吹っ飛んでしまった、
はずだったのだが。
「じょ"ゔぢゃ"ん"」
「うお？！A？！すっげー顔だぞ？！」
「ゔ、ゔぅ……」
不意に笑顔で駆け寄ってくる翔ちゃんを見て、
目尻がじんわりと熱くなった。
気づいたら大量の涙が頬を濡らしていて
用意していた笑顔が、声と共にぐしゃぐしゃになっていた。
「じょ、ぢゃん、あ"りがっ、ひぐっ、ありが、ひっ」
「おおおお落ち着け、落ち着け、な？」
ありがとうの一言を出すのにも必死で、翔ちゃんはそんな私の頬にたまった涙を自らのタオルで拭ってくれた。
「あ、安心してくれ！このタオルまだ使ってないから！！」
「だい、じょぶ、ひぐっ、ありが、と」
「ゆっくりな。タオル貸してやるから」
「う"ん、ありがと」
タオルを首にかけてくれて、また涙を拭うように両手で私の頬を覆った。
柔らかいタオルが私の頬を包む。
「私、もうちゃんと納得してるし、仕方ないことだって、わかってるけど、でも、」
「……うん」
「最後だって思うと、なんか、涙が、」
「ちがうだろ」
翔ちゃんは私の視線を合わせるように、頬を包んでいる手を少し上に向けた。
→
.
ちなみに次回最終回です
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き(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます、！がんばります！！ (2020年5月10日 1時) (
レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - きさん» これからも頑張ってください！ (2020年5月9日 21時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 愛さん» わ、ほんとですか！むちゃくちゃ嬉しいです！！ どうでしょうか！笑 私にもわかりません… (2020年5月9日 21時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - いつも楽しみにしてます！！！あの、予想ですけど....もしかして稲荷崎のマネになるんですか？ (2020年5月9日 19時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 鏡さん» そう言っていただけると更新の励みになります…！ありがとうございます！がんばります！ (2020年5月7日 22時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きたの | 作成日時：2020年4月5日 10時
