餌 ページ15
高校に入ってから初めて購買というものを利用したけど、
高校ってすごいなって改めて思った。
美味しそうな上に安いパンとか唐揚げとかがいろいろ並んでた。
どれにしよ〜って悠長に悩んでいたら廊下から購買目当ての生徒たちの足音が聞こえてきて、慌てて適当にパンを三つも買ってしまった。
「( か、買いすぎた……や、でも安いし、パンはいつでも食べれるし！ラッキー )」
ちなみに買ったのは王道の焼きそばパン、一番美味しそうだったコロッケバーガー、そしてデザートのあんこホイップパン。
しっかり太りそうなものばかり。
日持ちしなさそうなやつから少しずつ食べれば大丈夫、大丈夫。
購買前にできた人だかりをかき分けてやっとの思いで抜け出す。パンが潰れちゃう。
「あー！くっそー！出遅れた！！」
パンが無事なことを確認していると、突然横にいた男子生徒が頭を抱えて声を上げた。
ビクゥッと肩が跳ね、反射的にその人の方を見る。
「あのクソハゲ教頭……」
そして、目が釘付けになった。
「に、西谷さん……！」
「お？」
何度もＤＶＤを見返して、練習試合を観に行っては目で追っていた、
センスマンリベロ。
その彼が今真横にいる。見間違うはずなどない。
じっとこっちに向けられる視線に気づき、自分が思わず名前を口走ってしまったことも理解する。
いや、私完全に不審者……！
「え、あ、いや、」
ぎゅるるる〜〜
慌てる私の声を、大きな大きなお腹の音が遮った。
「は、はらへった……」
西谷さんの視線が私ではなく、私の抱えるパンへと移る。関心が私から逸れたことに、少しほっとする。
購買の方はもう全部売り切れで、生徒ももうとっくに引いていた。
憧れの選手がお腹を空かせている。
練習試合とかを見て、何度自分の手で差し入れができたらと、そして些細なエールを送れたらと考えていた。
がんばれ！！って大声で言う勇気さえなかったから。
「こ、これ……食べ、ま、すか！！？」
「え、いいのか？！」
分かりやすく目を輝かせる西谷さん。
名前も顔も知らない私に、なんという元気さ。
「私、お昼あるので……！じゃ、じゃあ！」
お財布を出そうとしていたところを無視して背を向ける。
「あ、おいーー」
「私、いつまでも応援してますので……！」
本物はやっぱオーラが違うなぁ。
とか言ってみる。
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き(プロフ) - 愛さん» ＾＾＾＾＾＾ (2020年2月24日 14時) (
レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 赤梟ってもしかして！！.... (2020年2月24日 13時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ありがとうございますううう！！こちらからお願いしますはアマゾン不可避です (2020年2月23日 15時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - もちろんです！というかこちらからお願いします！ (2020年2月23日 13時) (レス) id: a635d8fb67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ほわあああ！！！ ありがとうございます！！か、可愛くなってる……あの、作品内で紹介させていただいてもよろしいでしょうか？ (2020年2月23日 12時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きたの | 作成日時：2020年2月17日 12時
