日 ページ13
もう入学してから、象方の"き"も日直を迎えるくらい経った。
「A黒板〜」
「あ、忘れてた」
黒板消しを壁に押しつけて、横に消していく。
黒板は床から約１mに設置されるのが決まりで、その縦幅は１.２ｍある。
小学校低学年のときはまだ私の背は平均的だった。
だがだんだん成長期になると周りのみんなの背が伸びてきて、いつしか私は体育の時間一番前で手をあげる役( 固定 )になっていた。
何が言いたいかって、つまり、
「(届かない……！)」
黒板の半分から上が届かないってこと。
「Aがんばれ〜」
「あともうちょっとや〜(大嘘)」
「手伝ってくれたら嬉しいんだけどな！！」
私のチビいじりは４組の日常と化していた。
ーーそして、もう一つ４組の日常と化していることがある。
「だってよ山口」
「手伝ってやれよ〜」
「えぇっ、お、俺？」
男子に教壇へと押し出されたのは忠。
忠は少し耳を赤くして、渋々といったかんじで黒板消しを手にとり、私が消し残した部分を消し始める。
と、背中のほうから私の女友達や悪ノリ大好きな男子たちが茶化すような声を上げた。
横目に、忠の耳がもっと赤くなるのが分かる。
「クッソ平和かよ」
「ガチで付き合えよはやく！」
ーー私と忠の"平和"いじりである。
.
「ごめん、忠……さっきはありがとう」
「え？！いや、Aちゃんが謝ることじゃないよ」
移動教室の隙を見計らって謝る。
本当に申し訳ないと思ってる。ただ部活でも話すし教室でもそのノリで話していたらこうなってしまった。
みんなそういうイジり大好きなんだよな……
「俺こそごめん」
後頭部を掻いて、私以上にすまなそうに俯く忠。
「えっ、なんで忠が謝んの」
「だって、俺なんかといじられてさ良い気分なわけないし……ツッキーだったら嬉しかったかもしれないけど」
そういえば、ツッキーは面倒ごとというか、高校生のノリに巻き込まれたくないのか、いつも私たちがいじられている時は自分の席でヘッドホンしてスマホをかまっている。
助けてくれよおぉおお なんて毎回恨めしく思っていたが、
「なんでツッキー？」
大好きすぎかよ、って失笑したら
「え？」
って言われた。
「え？」
「え？？」
.
一作目殿堂入りありがとうございます！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 974人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
き(プロフ) - 愛さん» ＾＾＾＾＾＾ (2020年2月24日 14時) (
レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 赤梟ってもしかして！！.... (2020年2月24日 13時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ありがとうございますううう！！こちらからお願いしますはアマゾン不可避です (2020年2月23日 15時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - もちろんです！というかこちらからお願いします！ (2020年2月23日 13時) (レス) id: a635d8fb67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ほわあああ！！！ ありがとうございます！！か、可愛くなってる……あの、作品内で紹介させていただいてもよろしいでしょうか？ (2020年2月23日 12時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きたの | 作成日時：2020年2月17日 12時
