讐 ページ47
「大王様」
「ふぁ？！！」
私今名前言ったっけ……？！
話しやすいよう名前は出さず相談するつもりだったのに、無意識のうちに……！
「あ、いや……」言葉を濁す私に、ツッキーは失笑した。
「図星か」
「？！そ、それは卑怯だよ？！やっぱ私名前出してないもんね？！」
「え？なに？
僕名前言っただけだよ。あの人、僕はどうにも好かないけどね」
ははは、と乾いた笑みを浮かべるツッキー。
……そりゃそうだよなぁ。初っ端からあんな狙われていい気分なわけないし。
負けず嫌いのツッキーなら尚更だ。
「ナニ？付き合うの？」
あからさまに不機嫌そうに机に腰掛け見下ろしてくる。
「付き合わないよ……付き合うなら好きな人がいいし」
「……ふーん。まぁ、賢明な判断じゃない？」
……賢明な判断、か。
まぁ、そうだよなぁ。
……"気持ち伝えたかっただけ" らしいから、返事を待ってるわけではないだろうけど。
どのみち、一昨日まで少し苦手な分類の友達だったし、
付き合うっていう選択肢はあんまりなかった。
……そもそも付き合うとかよく分かんないし！
「まぁ、でも」
「うん？」
ツッキーは机から腰を下ろして、教室のドアに手をかける。
「あの人見た感じ女慣れしてそうだし、気をつけたほうがいいと思うよ」
なんとも言えない意地悪な笑みに、何か言い返そうとしたが、
たしかにな、って少し納得してしまった。
前の練習試合でも、かなりキャーキャー言われてたし、
一度私も徹くんに片想いしてる女の子に陰キャが調子乗ってんなよと忠告されたからこそ警戒してた。
徹くんはかっこいい上に優しいからとてもモテるし、
彼にとっての私は、本当は何でもないのかもしれない。
告白とか、ぎゅーとか、慣れてると思うし。
「そうだよね〜……ありがとう！ツッキー」
「……別に」
そそくさと部屋を出て行ってしまうツッキーを追う。
「( ザマァみろ、大王様 )」
私が隣に並ぶまで、さっきよりずっと意地悪な笑みを浮かべていたことを、
私は知らない。
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き(プロフ) - 愛さん» ＾＾＾＾＾＾ (2020年2月24日 14時) (
レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 赤梟ってもしかして！！.... (2020年2月24日 13時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ありがとうございますううう！！こちらからお願いしますはアマゾン不可避です (2020年2月23日 15時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - もちろんです！というかこちらからお願いします！ (2020年2月23日 13時) (レス) id: a635d8fb67 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - みゆみゆさん» ほわあああ！！！ ありがとうございます！！か、可愛くなってる……あの、作品内で紹介させていただいてもよろしいでしょうか？ (2020年2月23日 12時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きたの | 作成日時：2020年2月17日 12時
