昼 ページ6
「はぁ、はぁッ……も、むり……っ」
普通に考えれば分かったことだ。
最近まで全くといっていいほど運動をしてこなかった私が、現役の男子高校生のランニングについていけるはずがない。
姿を見つけるまで全力疾走し、少し間を開けてついて行こうと思えば私にとってその速さはかなり体力を使う。
二分くらいは踏ん張ったものの、私は足を止めて道に座り込む。
長野は坂が多すぎる。たった数分で足が悲鳴を上げている。
「(……でも多分、坂を上がれば……)」
ふぅ、とこめかみに浮かんだ汗を拭う。
「あの、だいじょうーー」
「よっしゃ！ーーッぎゃ？！」
「ッ〜〜？？！」
気合を入れて立ち上がりーーゴッッ！！ーー鈍い音と痛みが頭に走った。
声の出ない痛みに頭を抑えてまたしゃがみ込む。
が、同じように目の前にしゃがみ込んだ人に気付いて慌てて顔を上げた。
私が追いかけていた人と同じようにランニングをしていたっぽい彼は、私の頭で顎を強打したみたいだ。
「あっ、ご、ごごごごごめんなさい！！」
「だ、大丈夫……デス」
顎を押さえながら顔を上げてにこりと笑う彼。
そのTシャツの色合いは、たしかに私の記憶の中にあるもので。たしかに、DVDでみた、
「バレー部の、方ですよね？」
「え？あ、はい……」
なんで、って顔だ。怪訝そうな。
そりゃそうだ。彼のＴシャツにバレー部なんていう文字は一つもない。
鴎台は去年の春高に出ていたから、チェック済みだ。
彼はベンチで、今はマッシュだけどたしか前は坊主頭だった。
私は一度見た人は忘れない。好きなものに対しての記憶力は昔から自信がある。
「お、お願いします！鴎台高校までの行き方を教えてください……」
.
「え？宮城から？！やっば〜お疲れ様です」
「い、いえ……ありがとうございます、本当にすみません」
「いや、全然いいです。案内って名目でさぼれるし」
両手でピースしてヘラヘラ笑う彼、基い昼神さん。
教えてくれるだけで十分なのに、一緒に連れてってくれるというのだ。
「でも、雰囲気変わりましたね」
「え？」
「去年はDVDでちらりと映る程度からしか分かりませんが、出たい出たいって目がギラギラしてましたもん」
昼神さんは大きく目を見開いて、しばらく黙り込んだ後「ハハ」と乾いた笑みをこぼした。
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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します！出来たら全員のキャラに愛されたいです！（恋愛的に）あと出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年11月8日 6時) (
レス) @page46 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
きゆ(プロフ) - 初見です。2対2じゃなくて3対3だと思います (2021年3月1日 17時) (レス) id: 9c57069532 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - きさん» ありがとうございます！！めっちゃ嬉しいです！これでも良かったらお願いします！笑 (2020年5月14日 15時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 葉紅さん» うわあああすっごいかわいいです！！アレンジが素敵すぎます……。花松コンビ！なかなか出てませんでしたね……宮城組出せるときに出したいです！ありがとうございます！作品よかったら紹介させてください！ (2020年5月14日 8時) (レス) id: b253a946a6 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - きさん» 色塗り出来ました！！ https://uranai.nosv.org/u.php/novel/9e8700f73a1/ です！！松花コンビ好きなので夢主ちゃんを狙ってるグループに入れて欲しいなぁ、とか思ってます！( 更新頑張ってください応援してます！！ (2020年5月14日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きたの | 作成日時：2020年2月9日 18時
