ビタービターキス (ページ3)

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× 後輩イムくんページ3

「…イム…くん？」

『はぁ、分かってるはずですしチョコレートバレンタインにくれなかったのも残念ですよ本当に。』

「あ、なんかごめ『なんてのは嘘です。』は？」

『本当は嬉しいですよ。ものすごく嬉しいです。だから、こうやってA先輩の前にいるんです。』

「言ってる意味がわからないんだけど…あ、チョコレート欲しいんだよね？はい。味の保証はできないけどね。」

『あーもー！なんていうか先輩って鈍感ですよね。鈍感すぎてムカつきます。知ってます？おれ怒ってるんですけど。』

「なんで？」

イムくんの言ってることが全然わからない。チョコレート…バレンタインに渡さないといけなかったかな。

あれこれ考えてると、“まったく”なんて呆れながらイムくんが言った。

『どれもこれも、好きだからに決まってるじゃないですか。』

「へ？」

『熱心に仕事してる姿も頼まれたら断れないようなその性格もその驚いた顔だって全部好きなんです。

だから、告白の返事は僕にキスしてください。』

「はい？」

割と真面目な顔で唇を指さすイムくんを見て唖然とする。

『どうです？』

そう聞く彼の唇にそっと口付けしてみれば

甘い恋の味がした。