君は嘘を愛しすぎてる【青】 (ページ25)

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そこまで歌って目が合い、

翔太さんは、ヤバイ、という顔をする

　

今まで歌うなって言っていたからであろう
申し訳ない顔をして近くの椅子に座った。
　

しかし、
私は近くにあったギターを持ち、
翔太さんの顔を見る

　

そして、"卒業"を演奏する

　
すると、
びっくりしながらも私の顔を見て、
微笑んで、歌い出す

　

渡「__代わり映えしないいつもの教室に
　
__かけがえのない大切な仲間がいる

__給食のパンってどうしてこんなにパサついてんだろう、
　
__そんなこと言い合えるのももう少しで終わってしまうんだね

__変わっていこうぜやりたい事まだ見つからなくても
　
__笑っていようぜ俺たちは俺たちを卒業しないから」
　

　

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しまったと思った
　
好きだと思った

　

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私の心の中でそう言葉が込み上げてくる
　
今まで、こんなにもこの人を大切にしたい、なんて思った事あったのだろうか
　
こんなにも自分を知って欲しい
そう思う相手がいたんだろうか、

そう考える私はきっと
もう翔太さんに落ちている。
　

　
その後も笑顔で翔太さんは
とても綺麗な声で歌っていて、
なによりも楽しそうな顔で幸せな顔で歌っていた

　

　
・

翔太さんは明日も忙しいらしくて、
私は少しでも長く一緒にいたい、なんて柄でもなく思ってしまい
普通は反対なのだろうけど、
翔太さんの事を家まで送って行った

　
翔太さんの家へ向かっている道は、
どちらからでもなくお互いがお互いに手を繋いだ

そして、いろいろな事を話した。
　
翔太さんから、タメ口がいい、そして翔太って呼んで欲しいと言われ
私のことも呼び捨てがいい、と言った
　
一気に距離が縮まり、
そして、私の気持ちが凄く翔太に向いた日になった。
　

嘘をついていたのにも関わらず、
今以上に接してくれる翔太。
　
そして、隣で楽しそうに笑ってくれる。

本当のことを話して良かったって心から思う。
　

　

翔太の住んでいるマンションにつき
　
バイバイをする
　

　

なのに、見えなくなるまで
何回も振り返って私に手を振ってくる。
　

これが最後かなって思い、歩き出そうとした
翔太が行った後を見ながら

　
なのに、私の方に顔は出さずに、
そこから出ている手
　

愛おしいって単純に思った、
　

　
これから、もっと翔太を知っていきたい
そう思える幸せな一日だった。
　

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